東京・台東借地借家人組合1

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【判例紹介】 賃貸借の予約は契約締結の申込があった時は有効とされた事例

2008年11月04日 | 契約・更新・特約

 判例紹介

 賃貸契約の締結の申込があったときは、信義則上これを拒むことが出来ないとされ、賃貸借の予約が認められた事例 東京地裁昭和63年5月17日判決、判例時報1300号77頁)

 (事案)
 Xは、かつて(1)(2)の土地を所有していたが、このうち(1)の土地については、将来その奥にあるX所有の建物の改築手続に必要なときにはXに賃貸するという約款をつけてYに売却した。

 また、(2)の土地については、Xの兄である亡A(Yの父)がXに無断で他に売却し、その転得者Bからその所有権移転登記手続を迫られたため、 その隣にある前記X所有建物を改築するときはXに無償で貸す旨の約定で登記手続に応じ、その後Yは同土地をBから買受けた。

 Xは右事実関係を前提として、Yに対して(1)(2)の土地について賃貸借契約の申込をしたとして、その存在確認を求めた事件である。

 YはXの主張に対し、(1)の土地についての約款はX所有建物の建築確認に必要な限度で賃貸し、建物の完了検査後は原状に復帰するという建築基準法の脱法目的のものであると主張した。また、(2)の土地に関するXとB間の約定はYを拘束するものではないと争った。判決はXの勝訴。


 (判決)
 「法律行為の解釈として条件を含めて契約はできる得る限り有効になるように解釈すべきであることからすれば、右約款は、Xが将来本件アパートの改築又は立替をするときは、Yは、Xに対し、本件(1)の土地と、改築し又は建替えた建物の存続する期間中、建築基準法所定の通路を目的として賃貸する趣旨のもの、つまり右のような内容の賃貸借の予約を定めたものと読んで不都合とはいえないであろうし、・・・・本件(1)の土地が右売買以後庭ないし空地になっている事実からXとYの意見を忖度すると、そのように読んで売買及び右賃貸借の予約を有効なものとするのが妥当な解釈である」、そして「信義則上、XがYに対して本件(2)の土地を建築基準法所定の通路を目的として本件土地(1)の土地賃貸借と同じ条件で賃貸することを申込んだときは、YはXに対し、その承諾を拒むことができないと解すべきである。」

 (寸評)
 本件判決は、前記約款がYの主張の通り強行法規である建築基準法43条1項に反する趣旨のものであるとすれば、不法条件を付したことになって売買自体が無効となってしまう筋合いであるとしつつ、前記約款の解釈を判旨のとおりに解釈したところに本判決の特色がある。

 理論構成に異論や反対が予測されるが、本事業に対する結論としては妥当ではないかと思われる。親族間、隣地同士の本件同様の紛争に関して参考になろう。

(1990.02.)

(東借連常任弁護団)

東京借地借家人新聞より

 

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