東京・台東借地借家人組合1

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【Q&A】 店舗契約における営業委託契約には要注意

2006年10月03日 | 契約・更新・特約

    店舗契約では借地借家法を回避する
     脱法的な営業委託契約があるので要注意

 (問) 6年前から建物所有者から厨房設備一式を居抜きで引継ぎ、テイクアウトの焼餃子屋を営業しているが、最近、期間が満了したから明渡してくれと言われている。契約は建物賃貸借ではなく、営業委託となっている。しかし、貸主は営業には全く関与していない。契約時から委託料は定額となっており、事実上は家賃である。従って、実質は建物賃貸借と思われるので、私の場合、借地借家法の適用を受けるのではないか。


 (答) 貸店舗では、契約内容によって借地借家法の保護を受けるかどうかで大きな差異がある。
①純然たる店舗賃貸借契約。使用者が場所使用の対価として賃料を支払う。これに対しては借地借家法が適用される。

経営或は営業委託契約。店舗使用者(借主)は、売上の一定割合を報酬として営業委託者(貸主)に支払う。この場合は、借地借家法の保護はなく、貸主はいつでも営業委託契約を解除し、借主に対し店舗からの立退きを請求出来る。使用契約が容易なため、借地借家法を回避するための方法として利用されている。

 今回の相談者と同様の問題で争われた裁判例で検討してみる。賃借人は契約書では経営委託契約になっているが、実質は建物賃貸借であると主張し、賃借権の確認を求めて提訴した。一審では賃借人が敗訴し、二審で逆転勝訴した。

 裁判所は「本件契約書では店舗経営委託契約とされているものの、そこでの店舗の経営は経営者の名義で、その計算と裁量により行われ、建物オーナーがその経営に関与することはなく、分配金、共益費の名義の金員は店舗経営による収益にかかわりなく定額であることからすると、本契約は、店舗経営委託契約の性格を持たず、かえって経営者に本件物件を内装、器具を飲食店のために自由に使用収益して、その収益の取得することを許し、その対価として一定額の金員を受領することとする建物賃貸借の性格を有することは明らかである」(大阪高裁1997年1月17日判決

 委託か賃貸借かの分かれ目は、経営権の実質が受託者(借主)にあって委託者(貸主)は一定額の金銭を受領するに過ぎないものであるか否かということにある。相談者の場合は、判例に照らしても明らかのように、借地借家法の適用がある建物賃貸借と認められる。

  借地借家法の適用があるということになると、期間が満了したからといって当然には契約関係は終了しない。貸主に正当事由がなければ解約の申入れは出来ず、契約は自動的に法定更新される(借地借家法法26・28条)。従って相談者は営業を引続き行えることになる。

 

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