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(問) 「定期借家契約」というのが2000年3月1日から実施されいるそうですが、定期借家契約とはどういう内容のものなのですか。
私は商店街の片隅で貸店舗を借りて自然食品店を営んでいます。また、住まいも近くの賃貸マンションを借りています。定期借家契約の場合にどんな点に注意すればいいのでしょうか。
(答) 定期借家契約は、契約期間(1ヵ月でも50年でも期間に制限は無い。借地借家法29条2項及び同38条)を定めた契約で、その期間が満了したら契約の更新をしない旨を明記した契約です。
従前からの借家契約は、契約期間が満了すると契約は当然に更新される仕組みになっています。家主が契約を終了させたい場合は、家主自身がその建物を使う必要性などの正当事由がなければならず、契約は法律の定めで自動的に更新する「法定更新」の制度になっています。
定期借家契約は「更新」の無い契約です。従って、借家人は契約期間が満了すると有無をいわさず追出されることになります。そうでない場合でも再契約をして貰うために、例えば家賃の値上げを言われれば、家主の言い値の値上げ額を呑まない限り再契約は望めません。家主の顔色を窺う生活になり、修繕箇所があってもトラブルになる恐れから修理請求を控える等家庭生活に支障を来たすことになります。
それでは、追出されないために契約期間が長ければ良いかと言うと、そうでもありません。定期借家契約は原則として途中解約ができません。契約期間途中で解約するには残存期間の家賃を全額払らわされます。
定期借家契約を定めた借地借家法38条(建物定期賃貸借)は、ご指摘の通り2000年3月1日から施行されました。新たに借家をする場合は、「定期借家契約」を選択してはいけません。従前からの普通借家契約であることを確認してから契約書に署名捺印しましょう。
居住用の従前からの普通借家契約から定期借家契約に切り替えることは、仮に当事者合意の上であっても禁止されています(特別措置法附則3条)。
しかし非居住用の借家(店舗、事務所、倉庫、工場など)では、いつでも家主と借家人が合意した形にすれば、定期借家契約に切り替えることが出来ます。このため、店舗の借家契約は更新料を無しにするとか、僅かな家賃の減額などの条件を餌に定期借家契約に切替えられてしまうと将来に重大な禍根を残すことになります。
東京借地借家人新聞より
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(問) 平成6年4月から1戸建ての貸家を借りて居住しています。定期借家という借家制度ができたそうですが、借りる人には何かメリットがあるのでしょうか。また、借りる際にはどんなことを注意したらよいでしょうか。
(答) 2000年の3月1日から今までの借家契約に「定期借家契約」が加わりました。
この定期借家契約は、契約の期間あるいは建物の種類・用途を問わず、契約期間が満了したときは、契約は更新されることなく、終了する契約です。従って契約期間が満了すると、借家人は家主に対し、立退料や引越料その他を一切補償されることなく無条件で明渡さなくてはなりません。
あなたが借りている貸家の契約は、普通借家契約ですので、借地借家法第28条により、家主に建物を使う必要など正当の事由がない場合には、これまでどおりの借家契約の内容で更新されるので心配する必要はありません。
家主の中には「法律が変ったので定期借家契約」に切替えを求めてくる場合があるかも知れませんが、今回の改正では、居住用借家の場合には、『当分の間』定期借家契約への切替えはできないことになっています(特別措置法附則第3条)。
定期借家契約は「礼金・敷金はなくなり、家賃も安くなる」など、メリットがあるかのような宣伝がされていましたが、実際の借家市場では礼金・敷金を取るケースが多く、家賃も普通借家物件に比べ高額な物件が出回っています。賃貸住宅市場は不況で空家が多く、定期借家物件は今のところ人気がありません。
はっきり言って定期借家契約は借家人に何のメリットもありません。再契約できるという条件が付いても要注意です(注)。再契約できるかどうかは家主の意思次第で借家人は何の要求もできません。不動産業者に勧められても断って、更新のできる普通借家物件を紹介してもらいましょう。
(注)国土交通省の「定期借家契約の実態調査」(2004年1月16日発表)の中に平成14年の定期借家契約7111件の内で再契約が出来なかったのは3911件で55%という結果がある。
言い換えると55%の借主が再契約を一方的に拒否されて無条件で居室から立退かざるを得なかったという事実は注視しなければならない。
定期借家制度は期間が満了すると貸主は契約を一方的に終了させ、立退料を支払うことなく確定的に明渡を完了させられる。借主にとっては非常に危険な契約である。
東京借地借家人新聞より
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新家主が定期借家契約と
家賃倍額値上を通知、供託で対抗
武蔵野市境で戦前から木造平屋建て一戸建の借家に住む伊藤さんは、家主が昨年9月末で地主に借地権付の建物を売却してしまった。
新家主(地主)から、いきなり昨年10月から1年契約の定期借家契約を結ぶよう請求され、家賃も月額4万2500円を10月分から月額7万円に値上げして前払いで支払えとの一方的な内容の通知を内容証明郵便で送りつけられた。伊藤さんは不安になって組合に相談に来た。
組合役員から「定期借家契約は期間が満了したら借家を無条件で明渡さなければならない。現行法では普通借家契約から定期借家契約に変更することは居住用では認められていない」とのアドバイスを受け、新家主から来た内容証明郵便に対し、組合を通じて「定期建物賃貸借契約にて賃貸借契約を締結せよとのお話ですが、特別措置法附則第3条により、普通借家契約から定期借家契約への切替は法律で認められていません」ときっぱり拒否し、家賃の値上げについても更新が出来る2年契約でなければ協議に応じられない旨を返答した。
10月分の家賃を10月末に提供したが、受取を拒否されたので、伊藤さんは早速東京法務局府中支局に供託手続きをとった。すると、家主は家賃値上のみで調停申し立てをして来た。どうやら、定借契約への切替えは諦めたようだ。
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2007年03月30日
アットホームはこのほど、06年1年間の首都圏居住用賃貸登録物件における定期借家物件の登録状況を発表した。
それによると、定期借家物件数は21,532件(前年比16.8%増加)となった。そのうち、アパートは4,709件で前年比62.8%アップと大きく増加した。マンションは11,178件(同6.1%増加)、戸建は5,645件(同12.8%増加)。
地域別では、神奈川県が一番件数が多く9,434件(同36.6%増加)。続いて、東京23区が7,129件(同5.5%減少)、東京都下が1,954件(同42.1%増加)、千葉県が1,687件(同28.3%増加)となっている。
登録物件に占める定期借家の割合は、全体で3.3%(同0.6ポイント増加)。マンションは2.8%、アパートは2.1%なのに対し、一戸建は22.0%、いずれも増加した。
なお、平均賃料については定期借家が12.79万円(同4.0%低下)、普通借家が9.0万円(同1.7%低下)で、定期借家の方が高くなる結果となった。
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立退料を正当事由の要件に
06年12月25日、規制改革・民間開放推進会議が取り纏めた「第3次答申」によると、
(1)「定期借家制度の見直しについて」は、現行法では居住用建物については当事者が合意した場合でも、定期借家への切替えは禁止されている。
そこで、検討事項として
(1)居住用建物について、当事者が合意した場合には定期借家権への切替えを認めること
(2)定期借家契約締結の際の書面による説明義務の廃止
(3)居住用定期借家契約に関して借主からの解約権(強行規定)の任意規定化
(4)賃貸人及び賃借人が合意すれば更新手続だけで契約を延長できる(正当事由制度を排除した)更新型借家契約制度の創設及びその際に契約を公正証書によらずとも締結可能にすること
これらを平成18年度以降逐次実施としている。
(2)「正当事由制度の在り方の見直しに関して」も、平成18年度以降逐次実施としている。
(1)建物の使用目的、建替えや再開発等の事情を適切に反映した客観的な要件とすること
(2)立退き料を正当事由の要件として位置づけること及びその客観的な算定基準を明確にすること
以上、法改正の議論があることを踏まえ、所管省庁は関係省庁と連携し、論点の整理、具体的な策定に資する情報提供を積極的に行うべきであると答申している。
「第3次答申」は先に日経連が政府へ提出した「2006年度日本経団連規制改革要望」と同趣旨のものである。
但し日経連の方が直接的で具体的である。例えば正当事由に関しては、原則として廃止すべきとしている。
理由として、現状では建物賃貸借契約の「正当事由」はなかなか認められず、また、相当程度に劣化した建物であっても、裁判になれば、更新拒絶(正当事由)がみとめられるためには正当事由を補完するものとして、莫大な「立退き料」の支払を裁判所から求められるからとしている。
仮に存続させる場合は、具体的な立退料の上限を設定すべきとしている。家賃を算定基準にし店舗等は3年、事務所等は2年、居住用は1年の家賃分を立退料として支払うとしている。
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当事者の合意の上でも居住用借家契約から
定期借家契約への切替えは法律で禁止されている
昭島市東町の賃貸マンションに居住するAさんは、今年に1月に突然、家主の代理人の弁護士から、「定期建物賃貸借につき、契約期間の満了により前記賃貸借契約が終了することをあらかじめ通知致します」との内容証明郵便を送りつけられた。
事の起こりは、2年前の契約更新時に始まる。Aさんは今まで契約者だった奥さんと離婚したため、名義を変更してもらおうと不動産屋を訪ねたところ、新規契約と同じ家賃の5か月分を支払うよう請求された。Aさんは離婚した奥さんと同居していたのに5か月分は支払えないと断った。その後、不動産屋から家賃の半月分35000円を支払ってくれれば、契約を更新するので手続きをするよう言われた。
Aさんは、不動産屋から署名捺印をするよう求められ定期建物賃貸借契約書であることもよく分からず、契約書と定期建物の賃貸借に関する説明書にも署名・捺印してしまった。後で、この契約書は2年たったら家主が更新しないと言えば無条件で追い出されてしまうとんでもない契約であることが分かった。
Aさんが日頃から建物の管理や入居者が生活しているにもかかわらず、家主が大きな騒音をたてて貸室の改造工事をすることに苦情を述べていることから、家主にとっては追い出したい借家人だったようだ。
Aさんは組合と相談し、2年前の契約は借地借家法第38条2項の説明義務に反し無効であること、名義変更は新規契約に当たらず、普通契約からの切替えは認められないと反論した。
東京借地借家人新聞より
<参考>
(定期建物賃貸借)
第38条
期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、第30条の規定にかかわらず、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項の規定を適用しない。
2 前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
3 建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
なお、2000(平成12年)年3月1日より以前に契約した賃貸借(借家)契約の場合は、「借地借家法の一部改正に伴う経過措置」附則第3条により「居住の用に供する建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、改正後の借地借家法第38条の規定は、適用しない。」
即ち、既存の居住用借家契約から定期借家契約へは、仮に当事者が合意した上で契約を締結しても切替えは出来ない。それは附則3条で禁止措置が採られているからだ。
但し、営業用の店舗・倉庫等は当事者の合意があれば、定期借家契約への切替えは可能である。更新契約時には、くれぐれも注意が必要である。
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定期借家契約に関して「借地借家法」には次のように書かれている。
(定期建物賃貸借)
第38条 期間の定めがある建物の賃貸借をする場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り第30条の規定にかかわらず(注1)、契約の更新がないこととする旨を定めることができる。この場合には、第29条第1項(注2)の規定を適用しない。
2 前項の規定による建物の賃貸借をしようとするときは建物の賃貸人は、あらかじめ(注3)、建物の賃借人に対し、同項の規定による建物の賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借は終了することについて、その旨を記載した書面を交付して説明しなければならない。
3 建物の賃貸人が前項の規定による説明をしなかったときは、契約の更新がないこととする旨の定めは、無効とする。
4 第1項の規定による建物の賃貸借において、期間が1年以上である場合には、建物の賃貸人は、期間の満了の1年前から6月前までの間(以下この項において「通知期間」という。)に建物の賃借人に対し期間の満了により建物の賃貸借が終了する旨の通知をしなければ、その終了を建物の賃借人に対抗することができない。ただし、建物の賃貸人が通知期間の経過後建物の賃借人に対しその旨の通知をした場合においては、その通知の日から6月を経過した後は、この限りでない。
5 第1項の規定による居住の用に供する建物の賃貸借(床面積(建物の一部分を賃貸借の目的とする場合にあっては、当該一部分の床面積)が200平方メートル未満の建物に係るものに限る。)において、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情により、建物の賃借人が建物を自己の生活の本拠として使用することが困難となったときは、建物の賃借人は、建物の賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から1月を経過することによって終了する。
6 前2項の規定に反する特約で建物の賃借人に不利なものは、無効とする。
(注1) 借家人の居住の権利を保護する規定である借地借家法26条の「法定更新制度」及び28条の「正当事由制度」の規定が適用されないことを明確にしたもの。これにより、定期借家契約を選択すると借地借家法の中核である借家人保護規定の2つが排除され、借家人の居住の権利を保護する規定のない無権利状態になることを意味する。
(注2) 借主にとって不利益な契約ということで借地借家法29条1項で禁止されている1年未満の契約も定期借家契約では認めるとしたもの。
(注3) 書面の交付とは、定期借家契約を締結する前に賃貸人は契約書とは別に定期借家契約であることを充分認識させることが出来る書面を「あらかじめ」借主に現実に引き渡していなければならないということである。
そして賃貸人自身が直接、「契約は更新がなく、期間の満了により建物賃貸借が終了する旨」が記載された書面交付した上で定期借家契約であることを借主に理解出来るように説明する必要があり、賃貸人の説明義務である。これは宅地建物取引主任者による重要事項の説明義務とは別物でり,重要事項の説明で代用することは出来ない。
なお、第38条3項にあるように賃貸人本人が説明義務を履行していないときは、定期借家契約中の法定更新及び正当事由排除特約の部分だけが無効とされ、契約全体が無効になる訳ではない。この場合建物賃貸借は法定更新及び正当事由が適用される普通借家契約として有効に成立する。
①果して、期間満了前までに賃貸人が定期借家契約の終了通知をしなかった場合は、どうなのか。
先ず定期借家契約を期間満了と同時に終了させるには、借地借家法第38条4項から期間満了の1年前から6ヶ月前までの間(この6ヶ月間を「通知期間」という)に期間満了により賃貸借が終了する旨を通知しなければならない。この通知請求をしない場合は、期間満了と同時に定期借家契約の終了を賃貸人は主張出来ない。
②では、定期借家契約の期間満了後になされた賃貸人の定期借家契約終了通知が有効なのかどうかである。
その場合、賃貸人は、もはや定期借家契約の終了を賃借人に請求することは出来ない。「その結果、定期借家契約における「定期特約」は、事実上、消滅して期間の定めのない通常の賃貸借契約が継続することになります。」(「Q&A あなたの借地借家法」東京借地借家人組合連合会編 「別冊 Q&A 定期借家契約」19頁)
即ち、「期間の定めのない普通の借家契約になる」というのが東京借地借家人組合連合会顧問弁護団の見解である。
従って、賃貸人が借家契約を解除するには正当事由が必要であり、最終的には裁判所の判断に委ねられる。
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仙台市でアンティ―クの雑貨のお店を営業している斉藤さんは今年の8月に建物を取り壊すので明渡して欲しいと言われた。突然の話しで困っていると家主はいきなりこの契約は今年の2月までの定期借家契約で期限が過ぎているので6ヶ月の予告で解約できると言ってきた。
心配になってインターネットや本などで借地借家人組合と言う組織の存在を知って相談にきた。電話での相談で困難な面があったが、契約書などをファックスで送付したところ、定期賃貸借契約だという家主の主張には定期借家契約に必要な書面による通知がなかった。その上、家主の夫は宅建主任の免許をもっており、その仲介での契約であった。家主の代理人である弁護士からは」「定期借家契約に基いて、引き続き契約するならば定期借家契約。それ以外ならば明渡しを求める」との通知がきた。
組合では斉藤さんと相談し「この『定期借家契約』そのものが借地借家法第38条2項の文書がないことで無効となり、通常の賃貸借契約であること。又、期限が過ぎての契約解除通告は無効である」と主張することにした。
東京借地借家人新聞より
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2002年12月13日、東借連本部事務所で東借連常任弁護団会議が開催された。
「東京都営住宅条例の一部を改正する条例」について検討された。
02年12月都議会の終了寸前唐突に提出されたこの条例は、一般都営住宅に定期借家制度を大々的に導入するというものである。
国は定期借家制度を導入する国会の法案審議(99年12月7日)の中で「定期借家制度は公営住宅には馴染まないので公営住宅には適用がない」とか「公営住宅には定期借家制度は適用しない」と再三表明していた。
それにも拘らず、東京都は01年10月2日「都営住宅条例」を改悪して、当面国庫負担を受けていない都が単独で建設した特定都営住宅(第3種公営住宅)に10年以内の期限付き入居制度(定期借家制度)を導入した。
そして、世論の反応をみて、ついに02年12月、都議会で限定枠の縛りを外して一般都営住宅全般へ拡大して導入することを決定した。
東京都も「都営住宅」への定期借家制度の導入に「公営住宅法」の法律解釈から無理があることは承知している。これは、「都の方針として国に引続き公営住宅法の改正を要求する」としていることからも窺える。
定期借家契約―契約期間を限定して無条件で住宅からの立退き請求を認める条項は「公営住宅法」には存在しない。東京都の「期限付き入居制度」が公営住宅法に抵触するものであるかは明白である。
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賄賂で成立した定期借家制度
『不動産業界の2億円余の賄賂で成立した定期借家制度』が導入されて5年になる。定期借家契約の普及率は僅か4.7%という国土交通省の調査結果がある。
国土交通省は定期借家制度普及のため2001年4月一代限りの定期借家制度「終身賃貸借制度」を導入した。2002年7月施行の「都市再生関連法」によって供給される賃貸物件は総て定期借家契約が条件となっている。
一方東京都は2002年12月限定枠を取外して一般都営住宅全般(約6千戸)へ拡大し、公営住宅法を無視して定期借家制度を導入した。このように国と東京都は、民間住宅市場で受容れられていない定期借家制度を普及させようと御節介な努力をしている。
8千億円の需要があるという定期借家市場の為に不動産業界は、2006年の定借法見直しに向けて再び多額の政治献金攻勢をかけるのか。
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普及しているのか定期借地
定期借地契約が導入されて約10年になる。
現在、事業用定期借地権は10年以上20年以下の存続期間になているが、期間の延長が予定されている。
次に30年以上の期間の経過後に借地上の建物を地主に譲渡することを約して借地権を消滅させることが出来る建物譲渡特約付定期借地権がある。
その他に50年以上の存続期間を定めて設定される借地権については、特約をすれば期間が満了すると確定的に借地権が消滅し、土地を更地で返還してもらえる(借地借家法22条)。
その特約は①契約の更新が無いこと、
②借地期間の延長が無いこと、
③借地借家法13条の建物買取り請求権を排除すること、
以上3点を公正証書等の書面によってしなければならない。この条件が充たされると、その場合は借地人の費用負担で建物を解体し、更地にして返還しなければならない。
これは投下資本の回収が望めないことを意味する。例えば後5~6年で契約期間が満了する財産的価値の無い定期借地権を中途で買う人間がいるであろうか。このように借地権の換金性が低いことから普通借地権(都市部の借地権割合は90~70%)に比べて定期借地権の財産的価値は著しく低く、価値は不安定である。
定期借地権進協議会の実績調査(平成14年12月)によると、この10年間に定期借地契約で建設された建物は全国で4万601戸(1戸建が27,352戸、マンションが13,249戸)であるという。
首都圏の定期借地の1戸建の延床面積の平均は124㎡、地代の平均は30,376円、保証金の平均は890万円、住宅価格の平均は2,669万円という調査結果である。
目先の安さで定期借地を選択しても将来的に後悔しなければいいが…。
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定期借家契約でなければ更新しない
それが嫌なら今すぐ部屋を明け渡せ
(問) 2年の借家契約は平成12年5月15日に満了した。家主は定期借家契約でなければ契約しないと、契約の切替えを強要した。納得出来ないので契約締結を保留していたら、6月20日契約切れだから7月15日までに部屋を明け渡せと通告して来た。どうしたらよいか。
(答) ① 既存の借家契約(借地借家法38条「定期建物賃貸借契約」平成12年3月1日施行前に締結された借家契約)から定期借家契約への切替えは居住用借家に関しては特別措置法附則第3条によって禁止措置が採られ、仮に合意の上であっても、居住用普通借家契約から定期借家契約への切替えは法的に出来ない。
即ち、「施行(平成12年3月1日)前にされた居住の用に供する建物の賃貸借の当事者が、その賃貸借を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする場合には、当分の間、借地借家法第38条の規定は、適用しない。」(特別措置法附則3条)
② 借地借家法には、法定更新というものがあり、その規定は次のようになる。賃貸人は、法定通知期間(契約の期間満了の1年前から6ヶ月前まで)に賃借人に対して更新拒絶或は条件変更の通知を行っていないと、借家契約は従前の契約と同一の条件で自動的に更新される(借地借家法26条1項)。
相談者の場合はすでに5月16日より法定更新されており、契約切れなどしていない。契約は適法に継続している。法定更新後の契約期間は、同26条1項の規定により「定めのないもの」ということになる。以後契約の更新は発生しないので更新料の問題は法的に起こりえない。
③ 家主は、7月15日までに明渡しを要求しているが、期間の定めのない契約の場合「建物の賃貸人が賃貸借の解約の申入れをした場合においては、建物の賃貸借は、解約の申入れの日から6月を経過することによって終了する。」(同27条1項)とあるように、解約の申入れをしてから6ヶ月間の法定期間を経過しなければ、解約の効果を生じない。そして、6ヶ月経過後も借家人が借家の使用を継続している場合は、家主は積極的に遅滞なく異議を述べないと、借家契約は法定更新される(同27条2項)。
④ 但し、賃貸人の解約の申入れには正当事由がなければならない(同28条)。正当事由の有無の判断は裁判所が認定する。因って、賃貸人の部屋の明渡し要求は、裁判所が「正当事由」有りと認定しない限り法律的に認められないので、すぐ部屋を明け渡す必要はない。だが、今後のことを考えると組合とよく相談し、対処方法を検討して行動されることを勧める。
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