カナダのレリジャス系レーベルと思われるMaranatha! Musicから1981年にリリースされたコンピレーション。発売に至る経緯については良く分かりませんが、どうやらMRC(Ministy Resource Center)なるレーベルからの曲を中心にコンパイルされた作品のようです。以前Creole Stream Musicから再発され話題となったハワイアンAORのロブ・メールのLPがリリース元が実はこのMRCで、本作にもLPのリード曲であるHouse On The RockというナンバーがB-4に収録されていることが知られているため、その筋では比較的有名な一枚。他にはライトメロウ系CCMで一部マニアに知られるTamarackのアルバムから2曲収録されており、こちらの知名度もそこそこなので、ほとんどの方はこのいずれかに惹かれて手にするものと思われます。ただ、実はこれら以外にも見逃せないナンバーが二つあり、それがB-1のGotta Keep Loving YouとB-3のChild Of The Father。前者はBen Mendoza(ベン・メンドーザ)なるシンガー・ソングライターによる、おそらく本作エクスクルーシブのブルーアイドソウル系CCMナンバー。さりげなくブルース・ヒバードとケリー・ウィラードがコーラスで参加していることもあり、同時代に製作されたコイノニア周辺あたりのCCMやエリック・タッグの2ndが好きな方はまず間違いなくハマる曲かと思われます。また後者はMike And Von RogersなるグループによるPre-AORナンバー。きらきらとしたギターの音色と美しいコーラスが印象的な名曲で、以前ここで紹介した自作のコンピレーションにも収録しました。こちらはエクスクルーシブではなく、きちんとLPでリリースもされているようなので機会があれば是非オリジナルLPを聴いてみたいものです。ちなみに本作、日本で見かけることは少ないですが北米では比較的流通しているようで、海外から取り寄せれば入手は容易です。またアメリカ版のitunesではダウンロード販売もしているため、LPが聴ける環境にない方はそちらで聴いてみても良いかもしれません。ジャケットは何だか残念な一枚ですが、なかなかにコストパフォーマンスが高くお勧めのアルバムです。
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