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At The Living Room Reloaded

忙しい毎日の中で少し足を止めてみる、そんな時間に聴きたい素晴らしい音楽の紹介です。

I Love You My Friends / Hird

2005-04-02 | Club Music
僕と同世代ながら凄まじいまでのセンスを持ったスウェーデン出身の新人トラック・メイカーHird。昨年にはアルバムもリリースされ、そちらも僕は購入しましたが、やはり何から何まで圧倒的にこの12インチの方が好きです。まず、目を見張るこのジャケットが素敵です。そしてタイトルのI Love You My Friendsという使い古されたフレーズが、また胸をキュンと刺激させます。さらに肝心の曲の方ですが、これがもう最高に上品なメロウ・インストなのです。硬質な打ち込みのビートの上で生演奏されるローズのあまりにも美しすぎる旋律に思わずため息・・・。特に中盤以降の上質なローズ・ソロの素晴らしさは筆舌には尽くし難いです。後になってKoopのSummer Sunでも名を馳せた同郷の友Yukimi Naganoをフィーチャーしたヴォーカル入りテイクが12インチでリリースされ、昨年リリースされたアルバムにはそちらが収録されましたが、この曲はやっぱりインストで聴いてこその曲だと個人的には思います。寒く広大なスウェーデンの大地に一筋の灯りがともる。素晴らしき友のことを思いながら・・・。そんな胸の芯からの暖かさを持った極上の一曲。ローズ好きならば必ず好きになります。今となっては若干入手しづらいかと思いますが、ぜひインストで聴いてもらいたい曲です。オススメ。

Feelin' You / Ali

2005-04-01 | Club Music
DJ DTT氏らが得意とするトロピカルなR&B~UK Soulって、正直なところ僕はそれほど詳しい知識も持ち合わせていないし、個人的にはまだまだ未開の地なのですが、98年にリリースされたこの12インチは本当に素晴らしい。98年のリリースということで当然ビートはヒップホップ的なのですが、その卓越したソング・ライティング・センスには目を見張るものがあります。R&Bと言うよりもそれより10~20年は古いソウル趣味を彼なりに昇華した成果かな?大ネタを使用していますが、そんなことをあまり感じさせないとてもフリーソウルらしい仕上がりとなっています。もう数年リリースが早かったら橋本徹氏のFree Soul 90's Editに収録されていても全く違和感がない感じ。某クラブで配布されたらしいサンプラー的なミックスCDにてCurtis MayfieldのTripping Outと繋げてありました。ちなみに、この曲の後はPaprika SoulによるCome With Meカヴァー。そこで聴いて以来、ずっと気になってはいた曲なのですが、最近ハワイレコードさんのリコメンで突き止めたという代物。12インチだと言うのに美麗ジャケ付きというのも良いですよね?レアとか書かれていつつも、意外に渋谷近辺ではそれほど労せず見つけられる一枚。この手のUK Soulに興味があればオススメです。

September / Wayne Wonder

2005-03-31 | Club Music
ダンスホールっぽい曲はあまり好みではないですが、ラヴァーズ・ロックはものにもよりますが全体的にわりと好きです。何の話かって?これはレゲェの話です。で、そのレゲェ界の超大物シンガーによるEarth, Wind & Fireの大名曲のカヴァー。ディスクガイド本であるDouble Standard誌にもCubismo Graficoの松田"Chabe"岳二氏が紹介していましたが、これが彼の紹介通り素晴らしくメロウな仕上がりで、とてつもなく良いカヴァーなのです。もともとEW&Fの原曲からして既にめちゃくちゃ良いんですけれど、ここではそれをライトメロウなラヴァーズにアレンジしていて、原曲とは全然違うながらに心地よいグルーヴを生み出しています。僕はレゲェに関してはジャズなんかよりももっと素人なので全く分かりませんが、たぶんフリーソウル・ファンならばこの都会的なアレンジは自然とグッと来てしまうでしょう。おそらく7インチのみの音源ですが、なぜかジャマイカプレスにも関わらず日本のSONYによる発売で、最近また若干出回ってます。そういえば彼と言えばMuroさんのテープに入っていたLast Christmasもめちゃくちゃ良かったですよね。こちらはコンピCDでしか持っていませんが・・・。しかしジャマイカ盤ってなぜこうプレスが悪いのでしょうか?新品で買ったのに無音部の雑音が少し気になります。

Cabaret Noir / Same

2005-03-30 | Club Music
Nicola ConteとGerardo Frisinaのそれぞれ大傑作だった2ndアルバムを筆頭に、最近のSchema Recordsの躍進は目覚しいものとなっています。比較的リリース量が多いレーベルでありながら、ここまで一向にクォリティを落とさずに、かつその全てに対してSchemaのカラーを明確に打ち出しながら、ここまで優れた曲を配信し続けていけるというのは凄いことではないでしょうか?ここ数年のSchemaは間違いなくクラブ・ジャズ・シーンを牽引しているレーベル。その素晴らしいレーベルから去年の今頃リリースされたのがこちらのEP。モダン志向に走るNicolaやGerardoとは違い、ここで披露される3曲はとてもポップな佳曲です。A-1のBallade Du Nuageがリード・トラックであるようですが、個人的にはB-1のThe Ironic Deathの方が小粋な雰囲気を醸し出していて好き。3曲ともに言えることなのですが、ポップでありながらもその演奏はあくまで本格派。昔からのSchemaファンならニヤリと出来るような「らしい」お洒落でボッサなアレンジが美しい。発売当時は買っていなかったのですが、各方面でも取り上げられていたので昨年末頃に遅ればせながら購入したEPです。ちなみにCDだとアルバムが出ているそう。ここに収録された3曲もモチロン入っているみたいですので、お洒落な音楽を聴きたい方にはオススメしておきます。

Adventures In The World... / Beatfanatic

2005-03-28 | Club Music
長すぎて入らずタイトルからは割愛した正式名称はAdventures In The World Of No-Fi Beats。去年リリースされた新譜の中ではかなり聴きこんだもの。スウェーデンのRaw Fusionからリリースされたアルバムで、とにかくアルバム全体での総サンプリング量が凄まじいことになってるらしいです。シングルカットされた何曲かも含め全編が最高。製作手法は全く違いますが、先ほどのNicola ConteのJet Soundsに近い雰囲気を僕は受けました。特に好きなのは冒頭の2曲。A-1、Intro - From The Southはイントロで終わらせてしまうのがもったいない位にカッコいいジャジーなブレイクビーツ。そして続くA-2、Mas Que Malandroは本当にヤバ過ぎる。まさにメガミックスの新境地とでもいうくらいに完成度が高く、初めてLesson 1を聴いた時と同じくらいの衝撃を受けました。サンプリングによるメガミックスだけでここまで洗練された曲が作れるということに心から脱帽。中盤以降何度かHookのように登場する笛主体のブラジリアンが気持ち良過ぎます。とりあえず一番好きな曲を紹介しましたが、他にも本当に良い曲ばかりのアルバムなので是非チェックしてみてください。遅ればせながら最近CD化もされたようです。

Jet Sounds / Nicola Conte

2005-03-28 | Club Music
2000年に伊Schema RecordsからリリースされたNicola Conte大先生の傑作1stアルバム。先に紹介した2ndでは完全にジャズの人となってしまった彼ですが、このアルバムではまだその片鱗は節々にしか見せずラウンジーな曲が大半を占めています。まぁクレジット見る限り参加ミュージシャンも全然違いますしね・・・。このアルバムは一言で言うととてもサントラ的。まるでスパイ映画を見ているかのようなスリリングな展開に溢れた佳曲が次々と展開されていき、さらにアルバム全体として非常にまとまりのある聴き応え十分の内容にもなっています。この辺の構成センスはやはりDJ特有のものでしょう。曲単位で言うならばC-2のIl Cerchio Rossoが断然1位。旧譜のボサノヴァに交えてかけても全く違和感のない、いやむしろ下手なレア音源よりも抜群に素晴らしい奇跡のグルーヴィー・ボッサ・トラック。このアルバムからはかなりの曲が12インチ化されているのに、なぜこれがカットされなかったのかは未だに謎です。その他D-3のタイトル曲や、彼の名を世界中に轟かせしめたC-1のBossa Per Dueなども当然のことながらかなりの高水準です。CDでも普通に買えるけれど、これは是非アナログで持っていたい一枚かなぁって思います。オススメ。

Raccolta No.2 / Montefiori Cocktail

2005-03-28 | Club Music
一昔前に流行ったラウンジ・ミュージックを代表する一枚。イタリアIrma Recordsからリリースされヒットしたフェデリコ&フランチェスコの双子兄弟によるユニットによる2ndアルバムです。これがリリースされた頃はIrmaとSchemaと言えばイタリアのお洒落系レーベルの双璧として名を馳せていましたね。その後、時代の流れと共にIrmaの名前はコンピなどでしか聴かなくなり、Schemaは一層モダン・ジャズ色を強め現在に至るわけです。で、このアルバム。とにもかくにも「ラウンジー」という形容がもっともよく似合うのではないかと思います。ボサノヴァなんかを軸にした小じゃれサウンド。なんとなく音のおもちゃ箱みたいな印象も受けつつも、基本となるのはあくまでイージーリスニング路線。ラクに聴けるアルバムです。そして、ラストD-3を飾るOn A Clear Dayがやはりこのアルバムのメイン・トラックとなるのでしょう。Peddlersヴァージョンを貴重としたオルガンメインのカヴァーですが、間に入るストリングスや間奏でのサックス・ソロ(プレイしているのは彼らの実の父親らしいです)が被さってくることにより、一層リラクゼーション度が増しています。辰緒さんによるリミックスもリリースされましたが、これに関しては原曲の方が好きかな?とてもグルーヴィーな好カヴァーです。

On Becoming A Woman / Alison Crockett

2005-03-28 | Club Music
最近のR&Bなんかでも、フィーリングが合えば僕は買ったりもします。これは昨年アナログ化され話題になった2003年の作品。Angie StoneやJill Scottと同じく「ネオ・ソウル」という文脈で語られることが多いようですが、Yam Who?によるリワークがヒットしたせいでクロスオーヴァー系のDJからも注目された一枚です。Janet JacksonのカヴァーとなるA-2、When I Think Of Youが程よい夜感を持ったメロウR&Bでお気に入り。透明感のある彼女の声とキラキラした生演奏によるトラックの相性が抜群で、どことなく上質な香りも漂います。そしてこのアルバム中で最も素晴らしいのは文句なしにB-2のUrでしょう。先にYam Who?によるリワークが12インチ化され物議を醸しましたが、こうして聴き比べてみるとやはりオリジナルの方が完成度が高いように思えます。ウッド・ベースに導かれ美しいエレピとドラムが入ってくるイントロからして既に最高。ちなみにAlison Crockettはピアノも弾いてます。これがエレピの裏で微かに鳴っていて、その控えめ具合がまた良い。メロディもフリーソウル直系の切ない込み上げ調。D.M.R.の試聴で一発で気に入って買ったのですが、その後World Standardに2度も収録されましたね。まぁこれだけ良い曲だから当然なのかもしれませんけれど・・・。

Joy / Takeshi Nakatsuka

2005-03-27 | Club Music
須永辰緒氏主宰Aters Or Records記念すべき初のアルバム作品は、多方面から絶賛の嵐を受けて韓国版やヨーロピアン版までリリースされているらしい中塚武氏による1stのアナログ化。これがもう極上のグルーヴ感を持つアルバムで、とてもこれが国産のものとは信じられがたい素晴らしい出来です。僕は基本的にCDを買うことは少ないし、どうせすぐアナログ化されるだろうと思って鷹を括ってスルーしていたら、結局発売から1年近く立ってしまいましたね・・・。辰緒さんがよく回すというC-2、One Day, at The Bus Stopのような渋いジャズ・ワルツから、お得意の高速疾走ボッサA-2収録Lift Me Up To The Sky、さらにはセルフ・カヴァーとなるA-1のCafe Bleuや、D-3のOn The Paletteまで見事にお洒落過ぎる曲の嵐。まさに天才としか言いようがありません。この人、とことん卓越したポップセンスを持ってます。そして個人的に一番気に入ってるのが、B-1のWish Upon A Shooting Star。イントロのカッティング・ギターからして既に高揚感漂いまくりのアコースティックな込み上げメロウ・ミディアム・ソウル。どことなく前述Marcia HinesのYou Gotta Let Goを彷彿とさせるフリーソウル直系の音。やっぱりフリーソウルが僕の一番好きな音楽なので、これは完全にツボ。部屋でリピートしまくってます。エレピが激メロウなソウル、C-1のThe Apple Of My Eyeも最高!

Crue-L Grand Orchestra II / Crue-L Grand Orchestra

2005-03-27 | Club Music
98年にリリースされた瀧口氏らによる和製Salsoul Orchestraの二作目。この中に収録されているD-1、Spend The Day Without Youをずっと探していました。アルバムには比較的今っぽいハウスなんかのダンス・トラックも入ってるんだけれど、この曲に関してはもう本当にサルソウルそのものな音で非常に気に入ってます。ピアノのイントロからしてSilvettiのSpring Rainのフレーズを完全にパクってるし、外人の男性ヴォーカリストをフィーチャーしていることもあって、まんま70年代サルソウル・サウンドと言った感じ。もともとのラブ・タンバリンズによる曲も悪くないけれど、やはりこのカヴァーには勝てない。海外のコンピなんかにもJohn ValentiやMarcia Hines辺りの70'sレアグルーヴと並んで収録されているようで、まさに国産ダンクラの最高峰と言ったところでしょうか?ちなみにこの前のアルバムだとヴォーカル抜きでカヴァーしてますね。そちらもそこそこ良いです。でもグっと来るという点では圧倒的にこのヴォーカル入りヴァージョンの方が上。海外のコレクターからも人気あるアルバムらしくアナログは何気に見ないです・・・。見つけたら即買いの一枚。ちなみに廃盤ですがCDもリリースされていたようです。