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【国際社会が中国の農民層抑圧を批判しない理由】国民監視強化しないと・・・中国、体制動揺間近か⑤

2021-08-21 00:29:50 | アジア
前回からの続き)

 前回書いたように、中国政府は、ウイグル族差別や弾圧に対する国際社会の非難を国内の引き締めに利用していると考えています。つまり・・・外圧に負けないように中華民族(って、実質は人口比で9割超を占める漢族)は一体になろう!などとやって、真の差別や弾圧――権力者自身らと同じ漢族の農民層(含む農民工)に対する戸籍差別とか劣悪な労働環境を強いるなど―――にフォーカスが当たらないようにしている、といったこと。そのための有力なツールが「社会信用システム」であろうことは先述したとおりです。

 では、どうして国際社会は中国の上記に厳しい目を向けないのか。たしかにウイグル人に対する同国政府の姿勢は批判されて当然でしょう。ですがこっちは数億人もの・・・おそらくは世界最大の?被差別集団です。それにほぼすべてのウイグル族(そしてチベット族などの全少数民族)もこれに含まれるはず。であれば、中国を、同じ人権抑圧の面で糾弾するのなら、そのキモに当たる部分すなわち農民階層に対する差別等を徹底的に突くべきでしょう、ウイグル人たちの待遇改善を促す意味でも・・・

 ・・・って、国際社会はけっしてそうはしないはずです。なぜなら、ソコは中国の(悠久の昔から永遠の未来に至るカルマの?)急所であり、これをたたくと現王朝?はホントに瓦解&大混乱に陥りかねない・・・ってそれは自分たち・・・って、正確にいえば米欧諸国・・・の経済&金融の破綻に直結しかねないためです。なお、わたしたちが「国際社会」などというとき、それはアメリカ様・・・が90%くらいで、あとはせいぜいEU諸国が数%、そして中露両国は・・・論外?みたいな割合でしょうかね?

 で、そのあたりですが、中国と国際社会・・・である米欧諸国(とりわけその金融機関)はもはや一体不可分といってもよいほどの相互依存の間柄にあるわけです。実際、こちらの記事に書いたように、中国は巨額の対外債務を米銀・欧州銀からファイナンスしてもらっています(ちなみに、同国の対外債務額は、同記事でご紹介した2017年9月時点の約1.7兆ドルから今年3月末には約2.5兆ドルへと増えている模様)。その背景とか理由は本稿では省きますが、他方でこれを米欧諸国から見ると、彼ら彼女らは中国(企業等)に同額の債権を保有していることになります。そんなところで毎度の中華大革命?が起こったら・・・当然ながらこれらは一気に不良化し、大半が焦げ付いて、今度はこっちが過小資本・債務超過に陥って・・・といった負の連鎖から金融・経済恐慌へ・・・って具合に、自分たちまで逝ってしまうこと必至です。であれば国際社会は、中国を現状のまま支え続けるしかないでしょう・・・(?)

 こうして中国と国際社会・・・という名の米欧諸国(≒金融機関)は、そんなズブズブの関係をいっそう深めていく以外にないでしょう。そしてそれは、中国の現体制を、(差別撤廃・格差是正等を求める)共産主義的な人民蜂起による転覆の脅威から守ることにもつながります、皮肉なことに・・・

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