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ヨーロッパで存在感を増す金(ゴールド)④

2012-11-27 00:02:20 | 金(ゴールド)

(前回からの続き)

(3)ドイツが外国に預けている金の自国への送還を開始!?

 欧米各メディアの報道によれば、先月下旬、ドイツの連邦会計監査院は、ドイツ連邦銀行(ブンデスバンク:ドイツの中央銀行)は、外国に保管されているドイツの金準備について定期的に検査するべきである、と述べたとのことです。

 これを受け、ブンデスバンクは同監査院に対して、現在ブンデスバンク内でその検査実施等の権利について議論をしているが、それは必ずしも同監査院が求める検査を行うことではない、と回答したそうです。

 また、ブンデスバンクは、それらの金の品質検査を行うため、アメリカのニューヨーク連邦銀行(連銀)に保管されているドイツの金地金を1年間当たり50トン、3年間の合計で150トンを本国に送還する、と語ったようです。

 現在、ドイツはアメリカ(8133トン)に次ぐ世界第2位の公的な金準備保有国です。ところがその金の総量3396トンのうち、ドイツ国内にあるのはそのうちの約30%程度に過ぎず、それ以外はアメリカ、イギリス、およびフランスに保管されているもようです。そしてその大半の金の保管先がこのニューヨーク連銀になっているとのことです。

 ところでドイツの金準備の多くが米英仏に保管されている理由は、自由主義陣営と共産主義陣営が鋭く対立していた冷戦時、旧西ドイツがソビエト連邦の脅威から自国の金をかくまう目的で国外に移送したため、ということらしいのですが、じつは次のようなうがった見方もあるようです。

 つまり同時期(1950~60年代)、西ドイツは巨額の貿易黒字を上げるとともに、その逆に同盟国である米英仏が(対独)貿易赤字に苦しむなかで、安全保障の観点から、彼らの信頼と軍事的庇護が欲しかった西ドイツが、それらとの引き換えに同盟国、とりわけアメリカに多くの金を預けることになった、ということなのだとか・・・。

 とまあ、ドイツが外国に金を預けたことの真相は、戦後の複雑な国際関係がからんでいるようで、なかなか判然としないのですが、その後、ベルリンの壁の崩壊、東西ドイツ統一、ソビエト連邦の解体、EUの拡大、そして共通通貨ユーロの導入と、世界と欧州の歴史はめまぐるしく変わりました。つまりドイツの金準備をめぐる諸情勢も大きく変化したということです。ドイツにとって、自国の金を外国に保管する必要性が薄らいだということかもしれません。

 それにしてもなぜこの時期にドイツの会計監査院は外国にある自国の金の品質検査の実施(それにともなう金の国内への送還)をブンデスバンクに提言したのでしょう。

(続く)


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