(前回からの続き)
今月20日に「終了」と報道されたギリシャ金融支援スキームは、けっして終わってはいない・・・どころか、これからが超本番・・・って危機の、とみるべきでしょう(?)。前述のように、どう楽観的に予想してもギリシャに3千数百億ユーロもの巨大「対外債務」を返せるはずがないからです。よって近い将来、償還期限の来た借金を返せなくなった、とか、ヒドイ場合は、返すお金を貸してほしい、などと「追い貸し」を要求し出すに決まっています(?)。
ちなみにかの国は、少しでも返済金を確保するべく(?)、すでに港湾の運営権等を外国(最大のピレウス港は中国企業、国内主要空港はドイツ企業)に売ったりしていますが、この2件で得られる金額は上記の1/100になるかどうかの程度(数十億ユーロ)だし、これらを含めた同国の売却(民営化等)可能な国有資産の総額はせいぜい500億ユーロほどにしかならないといわれています(って、これだって相当に高めの見積もりのような気が・・・)。したがってこれらすべてを売り払って確保したおカネを全部返済に充てても、まだ2千数百億ユーロもの債務が残るわけです・・・
ではどうしたら?って、答えは・・・借金の減免=債券の放棄です。もう実質、これしかないのは明白でしょう(?)。よって問題は・・・(まあギリシャは当然ハッピーだからいいとして、)債権者のうち誰が、いくらのギリシャ向けの債権を放棄するのか、ということになりそうです・・・が、下述するように、このあたりが問題の本質であり、だからこそ超~難解となるわけです・・・
くどいですが、ギリシャには上記債務を全額、債権者に返すことは不可能です。もっとも上記「終了」を受けて近々同国は、日本ほか各国がやっているように、市場から資金調達をすることで債務の借り換えを行っていく気なのでしょう。しかし同国はそのコスト(支払金利負担)の高さに耐えられるはずがなく、すぐに市場からの退出を余儀なくされ、結局はこれまでと同様、債権者に対しておカネを無心するようになるに相違ない(?)。よって、どのみち債権者はギリシャの借金を棒引き(こう言ったりします:ヘアカット)してあげるしかありません・・・(?)
で、上記棒引きに応じるべきは誰か、ですが・・・(その率をどれくらいにするかは別として)まずは、同国に対して自己責任でおカネを貸し込んだ人々つまり個人投資家とか民間金融機関等になるでしょう。彼ら彼女らはギリシャのデフォルトリスクを承知で同国債とかを買ったわけですから、まあ仕方ありませんね・・・。ですがギリシャの場合、債務額がデカ過ぎて、これら「民間」が多少のヘアカットを受け入れるくらいではどうにもなりません。ということで次は・・・民間をはるかに上回る金額を供与した「公的」債権者、すなわちEU・ECB、そしてIMF・・・