(前回からの続き)
これまでは中国や日本・・・の「アベノミクス」の意を汲んだ半国営金融機関とか年金基金等がドル資産をせっせと買ってくれたからまあよかったけれど・・・アメリカにとって問題は今後でしょう・・・。というのも前述の事情などから、日中両国ともにアメリカへの投資をそれほど、つまりアメリカがソロバンをはじくほどは行わないだろうと考えられるから。これでは同国の膨大な債務を穴埋めするに足るマネーが十分に集まらず、金利に上昇圧力がかかってしまうことになりそうですが・・・
そんな危険な気配が高まるなかで、アメリカから極秘の要請でもあったのか、あるいはアメリカ様を助けよう!という気遣いなのか(それとも単にわたしの色眼鏡なのか)は判然としませんが、本稿冒頭に記したように、ここのところの日本の経済・ビジネス系メディアでは「ドルを買いなさい!」的な、アメリカへの投資を推奨するものが急に増えてきたような気がしてなりません。もちろんその真意は上述のとおり、つまりわが国のリッチな企業や個人のおカネを少しでもドル・米国債の買い支えに回したい!といったあたりなのでしょう。で、そんな見出しがやたら目につくということは・・・それだけアメリカがテンパっているということか!?
ですが・・・個人的にはこのタイミングでの対米投資はまったくお勧めできませんね。これまた綴ってきたように、ドル、株、債券、そして不動産のどれをとっても現在のアメリカ資産はバブル価格の高みにあるうえ、為替レートも人為的かつ極端なくらいのドル高円安だから。したがっていまうかつにドル建ての資産に手を出したら年金基金と同じくダブル高値掴みとなってしまう危険性「大」でしょう。きっと資産バブル崩壊&ドル/円暴落のWパンチでひどい目に遭いますよ~!?(投資等の判断は自己責任でお願いします)
・・・といったネガティブな見通しが成り立つ(?)ことから、やはりジャパンマネーもそれほどアメリカ買いには向かわないと思われます。以上、中国、産油国、そして頼みの日本も力不足となれば・・・何度か書いているように結局はココしかない、すなわちFRB・・・のQEという名の米国債直接引き受け「財政ファイナンス」です。そう、どう考えてもそれ以外の手はなさそうで、これとは正反対の金融引き締め策すなわち「利上げ」再開なんて無理筋もいいところ・・・というのが以前から変わらない個人的な予想ですが、はたしてどうなりますが・・・
(「米国債買い手不在!?で窮地のアメリカ」おわり)
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