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【債券に一歩遅れて株価の崩落も始まった・・・】バブルのピークは完全に過ぎ去った③

2016-01-29 00:01:27 | 世界共通

前回からの続き)

 前回までに、双子のバブル」(債券のバブル)のうちの債券バブルは原油バブルとともに2014年半ばにピークを打ち、以降は現在に至るまで両価格ともに下がり続けている様子を見てきました。そしてこの転換をもたらしたのが米FRBQE終了(観測)です。実際にQEは同年10月末をもって停止されたので、上記タイミングの債券・原油価格の値下がりスタートはこれを先取りした動きだったと解釈されるでしょう。

 いっぽうで「双子のバブル」のもうひとつの株バブル―――アメリカの株価のほうは債券価格とは違った推移をたどっています。たしかに債券マーケットは2014年の夏を境に潮目が変わりました。が、米株価はその後も上がり続けます。同年7月に1970あまりをつけていたS&P500種株価指数はQE終了直前の10月中旬、いったんは1860近辺にまで下がったものの、(同月末日に米QEのバトンタッチを受けたように開始された日銀追加緩和で力を得たのか?)その後は再上昇に向かい、昨年521日に2131の史上最高値をつけています。

 しかし、いま振り返ればこのあたりが株バブルのピークだったような気がします。実際、同月以降、米株価は2100前後という高値圏にこそあるものの、上記最高値を抜けないままになっています。これはまあ当然といえば当然でしょう。QEという株価上昇のメインエンジンがすでに停止されているわけだから・・・

 逆にいえばQEが終わって1年以上も株の高値が維持されたことが不思議なくらいです。というのもいまのアメリカの(というよりは世界中の)株高は、景気が回復した、とか、企業業績見通しが良好、といった本来の株価決定要因ではなく、QEで超低金利マネーが市場にあふれているという異常な金融環境だけで支えられているためです。でも・・・さすがにその支えがはずれてずいぶん経ったし、昨年12月にはFRBによってとうとう利上げすなわちマネーの回収が始められたとなれば・・・

 ・・・案の定(というかこれまた当たり前ですが)、アメリカの株価は昨年末から急激に下がり始めました。1229日の2078からわずか3週間あまり後の120日には185910%も暴落して上記QE終了前の安値を割り込んでいます。この株価急落の根源的な理由は、巷でいわれている中国の経済不安などではなく、上記のとおり―――QEマネーの供給途絶と(利上げによる回収にともなう)減少―――とみるべきでしょう。

 こうして「双子のバブル」は崩壊に向かった―――債券バブルに続き、株バブルもまた一歩遅れて崩れ始めた・・・というのがいまこの瞬間、世界株式市場が目の当たりにしている「リスクオフ」の本質と思います。

続く

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3 コメント

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マイナス金利 (w)
2016-01-30 13:22:50
日銀と安倍さんは自爆しました。
また、アメリカに資金提供ですね。
何処の国の利益代表の人かな?
今年中に130円行くかもしれませんね。
黒田さんの会見を聞きましたが、
なんか、もう当事者でない感じです。
覇気がまったく感じられない。銀行はまた、日本博打国債を買うのでしょうか?しかし日銀は今年も80兆円くらい国債を買うらしいですね。やっぱり
また外国金融機関が銀行からお金を借りるのでしょうか?50兆円?くらい。
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Unknown (コメントありがとうございます)
2016-02-02 21:39:44
 コメントありがとうございます。ご指摘の通りと思います。ただ、2/1の記事に書いたように、実際にはジャパンマネーがドル等のリスク資産買いに大挙して向かうことはないでしょう。いまのリスクオフ・モードで「円」に勝る投資対象は唯一、「金」(ゴールド)を除けば(?)、世界のどこにも見当たらないからです。したがってドル/円は、日銀がこれ以上ヘンなことさえしなければ、やがて自ずと下がるだろうとみています。
 本来、日本のような相対的に経済がしっかりした国の中央銀行は奇をてらったようなことをするべきではありません。というより、この国にはその必要なんてないはずです(わが国の長期金利は日銀が異次元緩和などをしなくても低利で維持されるからです)。だから、毎度毎度サプライズを連発するいまの日銀幹部の目立ちようは異様に思えてなりません。しかも、そのサプライズがいちいち国民生活を悪化させる通貨安インフレを煽ぎたてるものだから、どうしてみなさんその都度ドヤ顔になるのか、まったく理解できない。まあ円安株高で日本人の過半数が円安コスト増との差し引きで潤っているというのなら分かるけれど、もしそうならその根拠を出してほしいものです。
 コワいのは黒田日銀総裁が、(円安誘導に向けて)日銀にはまだまだやれることがたくさんある、とスゴんで(?)いること。ということは日銀は今後、国債の大半を買い占めて(って、こうなると実質的な財政ファイナンス!?)、そのうえで(ヘリコプターマネーみたいな)世間を唖然とさせる手を次々に繰り出して本格的にこの国の財政・金融規律を破壊する暴挙(?)に出るのではないか・・・って、黒田氏がこうしたことを日本一、忌み嫌うべき立場の大蔵官僚・・・のOB、ってあたりが異次元過ぎて凡人のわたしにはついていけないところです。
 ということで黒田日銀にいちばんウンザリ(?)しているのは、カワイイ後輩たち―――現役の財務官僚だったりしてね・・・
返信する
Unknown (w)
2016-02-04 13:11:02
ご回答ありがとうございます。また円高に戻ってきました。
しかし、マイナス金利を適応するのはどの部分なのかということが、マスコミはまったく国民に情報を出しません。はじめは「一定部分を越える日銀当座預金」とか書いてました。
それで、法定準備預金を超える部分と解釈しました。ところが、ほかの人の解説では
「3分の一ずつに分けて、0.1%、0%、マイナス0.1%を適用する」とか、書いてました。実に姑息なやり方
だとおもっていました。昨日はまたほかの人が、以後銀行が国債を売って、日銀に預けるお金にマイナス金利を適用するとか書いてました。今までの分は関係なしとか。結論は、こんな姑息なやり方は日銀の恥、日本国の恥である。国もマスコミも国民に情報をわざと、理解しにくいようにして出す。
国民に、わざと真実を知らせない方針のようである。マイナス金利の方針の発表で
いったい本当の日銀発表はどれが正しいのでしょうか?もちろん黒田さんの聞こえにくい声での記者会見は、インターネットで2分ほど聞いてあほらしくなりやめましたので、私には真実は黒田さんが何を言ったか分かりません。
日銀の発表の100%真実を先につかんでいた金融機関が今回も、株、為替でまたもうけたとおもいます。非独立国の悲しさをまた実感しました。やっぱり日本はいったんどん底までいくしかないようです。とことん絞りとられるしか道はありません。わたしは年金が月4万円なのでこんなことを言ってられますが、年金が月20万円の人は悲惨なことになります。
どん底まで行って、雨から捨てられて、日本
女郎の年季奉公から解放されるしかもはや希望はありません。雨に対抗する政治家、官僚は今の日本にはいません。いてもすぐ抹殺されます。戦後日本の独立の夢は田中角栄先生で終わりました。
しかし、今度こそは、
雨にもシナにも口出しさせない国家を作りたいですね。こんな投稿も監視されてると考えています。しかし、そこまで萎縮する気はもはやうせました。もう歳だし、道端の石ころのような庶民ですから。戦前はアジア唯一の独立国だったのに、いまはアジア唯一の植民地国になってしまいました。国民の愛国心はタイやベトナム以下です。ここは日本だ、文句のある奴は帰れ、出て行けといえない国に成り果てました。
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