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「東京ブラックアウト」を読んで~私的な請願書~

2015-01-27 00:00:30 | 原発

 現役のキャリア官僚・若杉冽氏の話題作「東京ブラックアウト」を読みました。原発再稼働に向けてわが国の権力中枢で進行する陰謀をテーマにした、まるでノン・フィクション(!?)のような小説です。もちろん本書の登場人物とか団体等は多くの場合、架空のものですが、その表現ぶりのリアルさから、読者に実在の人物や団体名を微妙に連想させるものになっています。

 なかでも衝撃的だったのが、天皇陛下が原発再稼働に強いご懸念をお持ちでいらっしゃる様子が克明に描かれていることです。そのシーンが、その場のコオロギの鳴き声など、同席者でないと分からないような繊細な情報と一緒に語られていること、そしていくらフィクションとはいえ、畏れ多くも今上陛下のご本心とは真逆のことは誰にも書けないだろうと想像されることから、どうやらそれは真実―――こう解釈せざるを得ません。これは・・・とても重いと思います。

 さらに本書の末尾にそんな陛下への請願の送付先まで掲載されている・・・。本書を通じた著者の願いが一番、凝縮された箇所・・・。で、Wikipedia等によれば、何人も、請願をしたためにいかなる差別待遇を受けず、天皇陛下への請願は内閣にこれを提出する、等とあります・・・。

 ということで、陛下への請願は別にして、ここでは本ブログ向けの私的な請願書を以下に綴ってみたいと思います。請願先は、この国の空気。コオロギの歌を添えて。

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請 願 書

 

 敷島の大和の国の弥栄はかくも貴き縁の賜

 

 「脱原発」=「脱円安と考えます。

 わが国の電力供給が原発依存から脱するためには、中長期的にはこれに替わる新エネルギーの開発・導入・普及が不可欠ですが、それらが実現するまでの当面の間はどうしても火力発電に頼らざるを得ません。したがって火力燃料―――石油・天然ガス等―――の海外からの安定的な、そして低価格での調達を図ることが脱原発に向けた第一歩として極めて重要となってきます。

 通常、エネルギー資源の取引はドル建てで行われることから、これらを安価で確保するには為替レートは円高ドル安のほうが有利です。これに対し、いまの日本政府(および日本銀行)は事実上の円安誘導政策を採っているため、輸入燃料インフレが起こって電気料金が高騰するいっぽう、同インフレの発電コストへの影響が軽微な原発の優位性が高まっています。したがって、このままでは光熱費の負担増に耐えかねた国民の多くがその再稼働を容認するでしょう。誰にとっても原発事故は恐ろしいものの、「背に腹は代えられない」からです。

 この流れを食い止め、あらためて脱原発を現実的な目標とするために、わが国は電力の大半を火力で賄っている現状の最適化に努める必要があります。それこそ輸入燃料の円建て費用の圧倒的な引き下げであり、これを妨げている上記の政策(たとえば日銀の超緩和的な金融政策)の転換を通じた円高環境への回帰であると信じます。これにより、原発を使わなくても電気料金を低い水準に保てることがかなりの程度、証明され、国民は脱原発の方向性―――コストパフォーマンスの高い火力発電で時間を稼ぎつつ、その間にこの国の叡智を結集して新エネルギーに基づく経済・社会の構築をめざすこと―――がけっして夢物語ではないと認識するようになるでしょう。

 以上、原発なき日本国の建設を真に希望する立場から「脱円安政策」を提言するものです。よろしくお願い申し上げます。

平成二十七年一月  一国民より

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 上記、今上陛下への請願書の送付先は、〒100-8968 東京都千代田区永田町1-6-1 内閣官房内閣総務官室 となっています。また請願法によれば「請願は、請願者の氏名及び住所を記載し、文書でこれをしなければならない」等と定められています。ご参考まで。

(「『東京ブラックアウト』を読んで~私的な請願書~」おわり)

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