庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

安倍政権はエネルギー政策の将来戦略には素人同然だ。

2017-03-25 | 快適エネルギー社会問題

日本の近代の経済発展には、エネルギーの消費量が膨大に増え続けるニーズに対して、政府が戦略的に対応できた事があるか、はなはだ疑問である。

明治維新には欧米の後追いで、とにかく近代工業を起こして、産業革命の後塵を拝しながらも、ヨーロッパ諸国の技術と産業政策を学んだ事は素晴らしい成果だ。

そのエネルギー消費に対応するには、膨大な石炭の生産が必要であった。

大事故を引き起こして、多数の犠牲者を出しながらも、とにかく、産業の下支えをしてきた「石炭産業」は、日本の発展に多く貢献したのである。

しかし、内燃機関の技術発展によって、エネルギーの主力は石油に転換した。

 

この段階で、日本の国土内には、石油は微々たる埋蔵しかないので、海外に石油資源を求める事になる。

この時期になって【海外の石油資源を求めた活動】を開始したが、植民地支配をしていた欧州諸国に阻まれて、戦争への危険な賭けに追い込まれて行った。

ついに太平洋戦争の開戦によって、多くの犠牲を払う亡国的な路線に追い込まれて、国は完全に将来を見失ってしまった。

この時に、連合国側には、共産圏に対抗するためには、「日本を再生」しなければならない事態となって、アメリカの庇護のもとに、日本の産業は復活の道に進みだしたのである。

 

この時期には、戦前からの石炭産業には見切りをつけて、石油を主力とするエネルギー戦略に転換したが、輸入先は「中東の石油」に極端に偏るリスクを抱えた。

その戦略的には危うい路線の上に乗った「産業政策を過信」して、ついには石油ショックの大波乱を受けて日本の産業政策のもろさを露呈した。

このじきから、石油の種輸入先の分散と「エネルギー資源の多様化」を図る国先に転じたが、その後の「エネルギー資源政策」は、電力の原子力化に偏重した。

石油以外のエネルギー資源では、天然ガスに転換してきたが、島国のでメリットもあって「天然ガスは割高なエネルギー」となっている。

再生可能エネルギーこそが、日本の将来を担うエネルギー資源であったのに、その技術開発と産業育成には、戦略的な国策は【全く無いも同然の状態】だった。

 

ついに、原子力発電への過度の依存症が、原発神話を生み出して、【虚構の上に作られたエネルギー戦略】は、完全に破綻したのである。

当時の民主党政権は、主張していた「再生可能エネルギー」の飛躍的発展を、「固定電力買い取り制度(FIT)」の発足にこぎつけたが、実力ではそこまでであった。

ところが、政権交代した「安倍政権のエネルギー戦略」では、【経済産業省の官僚の旧時代の知識】に依存するだけで、「再生可能エネルギー」は、冷遇された。

旧時代の情報量が多い【石炭火力発電】に回帰しようとして、早くも行きつまりを見せているし、国民の大多数が否定する「原子力にも未練がましい」姿勢だ。

国の将来を預かる政権党しては、「素人同然の無知」のままでは、国を滅ぼす。(続)