超金融緩和政策はデフレ脱却を大義名分にして、市場に潤沢な資金を提供して、株価を実力以上の高水準にした。
この影響は確実に高所得者層と大企業の経営陣を豊かにして、安倍政権の支持者たちの利益を十分に増やし、満足を与えて。
しかし、その波及効果は全く限定的で、資産を持たない勤労者や、地域で地道に働いている人たちには、恩恵は回らない。
大都市で働くワーキングプアーには、2017年になって、やっと最低賃金の引き上げ幅が2%に達した程度で、それ以上に恩恵は無い。
「同一労働、同一賃金」の掛け声だけは始まっているが、実質的な恩恵が生まれるには、相当の制度改革が必要である。
安倍政権の閣僚たちには、とても地域経済の活性化につながるような、有効な政策を提出できる能力が不足している。
知恵袋となる官僚たちは、中央集権政治に慣れきった思考回路しかなく、霞ヶ関発の官僚的発想だけが、空転している。
地方経済の活性化が空文化している状況でも、対抗する野党勢力の政策提案能力はさらに低レベルで、国民の支持率は全くあがらない。
総理大臣の不始末をせめたてるだけでは、経済好転への期待は、全く高まらないのは、わかっている筈なのに、野党は思考停止状態だ。
安倍首相に対抗する与党政治家の台頭もなく、外交政策の停滞には、日本の存在感も失われて、経済の沈滞化を加速している。