「光合成型藻類」が生成する油脂を原料として、バイオ燃料を大量生産する場合には、「広い土地面積と有利な日照率」が必須の条件である。
これを軽視して、技術力さえあれば「大量生産は可能」だと信じて、研究開発に大金を投じても、国内生産を継続することは無理になる。
途中の段階で、【有利な地域に生産拠点】を移して、その国の利益になる様な制度も元に生産する運命にある。
日本の公的な資金を使って開発していても、日本の国民の利益につながるとは限らない状況が、起きるリスクは付きまとうのだ。
それ故に、国の重点施策としては、国情に適した『従属栄養型藻類』が生成した油脂を原料に、バイオジェット燃料の大量生産の実現を実施すべきだ。
その第一段階に、東北大学、筑波大学、仙台市の共同プロジェクトが、2012年から取り組んだ実験に成果を生んだことは、注目すべきことである。
しかし、マスメディアの扱い方は、『脱石油のバイオジェット燃料』の華やかな話題ばかりに視線が注がれて、それを実現する「地道な研究成果」を扱わない。
メディアは、表目的な目立つ話題ばかりを優先するので、【「下水処理の有益物」を利用したバイオ燃料】には、関心をよせないのだ。
また、多くの人が食品廃棄物に関係しているのだが、あと始末には無頓着で、「有益な資源」を再利用しての、「従属栄養型藻類」の研究開発には無関心だ。
これを、補助金で支援して「バイオ燃料製造」の原料に利用する事業化に、開発資金を投じる企業も、見あたらないのが現状である。
20年以上も前から、「廃食油の収集と精製」で、「バイオィディーゼル燃料」に製造する事業が実験的に進められている。
しかし、食品関係の廃棄物を収集するシステムがないので、収集コストの削減ができない状況では、普及拡大がむずかしい。
そこで、このブログで紹介してきた「大型海藻類の大量栽培」によって、『従属栄養型藻類』の増殖に必要なエサを供給する仕組みが、期待されるのだ。
家畜類(牛、豚、鶏など)の酪農では、大量にトウモロコシなどの穀物類をエサに与えるのは、常識である。
この方法にならって、『従属栄養型藻類』の増殖事業に、大量に栽培した「大型海藻類」から製造したエサを与えることで、バイオ燃料になる油脂を生産する。
太陽光エネルギーを必要としないので、設備の土地面積は少なくて済む。(続)