経済活動が安定成長になることは、望ましいことだが、それだけでは不足だ。
人々の心の中には、少しづつでも生活が豊かになっていく状況が実感できることがもっとも必要である。
日本の経済は、1990年代にバブル崩壊のあとに、生活のゆとりを実感させる経済成長は実現できていなかった。
賃金デフレが、その最たる原因であるが、「GDP数値」ばかりが安定成長の指針とカン違いされて、国の経済運営がされてしまったからである。
世界の多くの先進国で、富裕層と一般の働く人々との、【収入と資産の格差が拡大し続けてきた】ことが、世界中での需要不足の不満の原因となっている。
一部の新興国の経済成長により、デフレに落ち込む事態は緩和されていたが、新興国の成長の鈍化により、デフレに陥る懸念はさらに深刻になっている。
デフレは【格差の拡大を加速】させる上に、豊かさの実感が減少する。
節約指向を加速させて、「高付加価値社会」への転換にブレーキをかける。
縮小型の経済につき進んで、さらに【格差拡大】と「豊かさ感の喪失」に進む。
デフレからの脱却、格差拡大にブレーキ、GDP成長の追求が最重要である。
その上で、日常生活の安定感が広がり、少しでも、付加価値の追求で豊かさを実感できる社会に進むには、国の安定感が必要になっている。
安倍政権は安全保障政策として「海外での集団的自衛権」の行使の法改正で、石油の輸入経路の確保を、と宣言するが、かえって不安をあおっている。
それよりも、『国内で自給できる脱石油燃料』政策や、「再生可能電力の最大限の増強」政策の方が、はるかに国民の安心感を強化するだろう。
この政策は、地方の新たな付加価値を生みだす新産業を誘発する。
地方から都市部や海外に流出している資金を減少させ、地域に収入が入る。
何よりも貢献するのは、地域に定住する人の雇用を増やすことが、最大の成果になるであろう。
人口減少に歯止めをかけて、少子化への不安を減らすことは、長期の国の安定感を強化するのである。
育児の支援政策も、中途半端なままにしておいては、国民の安心感の強化につながらない。
一億総活躍社会などと、掛け声だけの総花政策に走る様では、カラ手形になる。
明確な目標と実行可能な具体策を国民に提示し、意思を注ぎ込むことだ。