庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

研究開発の重点化を図る段階では日本発を重視をすべき。

2015-10-14 | バイオ燃料・バイオマス

日本の将来のエネルギー供給の【自給率向上】には、誰しも異論は出ないが、どの様な技術と事業化で、具体化するかは、全く迷走している。

それは、大手企業や中央官庁は、すぐに欧米の技術動向が気になって、その後追い的な研究開発に、人材と研究資金を回してしまうからである。

前回までに、このブログでは、『従属栄養型藻類』の増殖事業によって、「バイオジェット燃料の事業化」の促進を図るべきだ、と提案した。

しかし、この技術の内容を理解している関係者は、ホンの一部にしかいいない。

 

明治維新以来の悪弊で、何かと言うと【欧米の技術導入をありがたがる習性】が、日本人の身に浸みこんでしまっている。

日本で発案されて、日本のローカルな地域で研究されている技術は、軽視されがちになって、研究支援や人材の投入には、力を注がない傾向が強い。

欧米発の【光合成型藻類の栽培】による「バイオ燃料事業化」には、国や大手企業の支援が厚くなっている。

しかし、『従属栄養型藻類』の増殖事業化には、理解が進まないので、支援は薄いままで、せっかくの熱意とアイデアが生かされていない。

 

欧米技術の崇拝は、もうやめてもらいたいのだが、意識転換には国や有識者の率先垂範が実施されるべきである。

工業製品の分野では、どうしても明治維新以来の欧米に対する後進意識が、習い性になって意識転換を邪魔している。

だが、最近では日本発の文化的な分野や、日本古来の食文化などが、世界から高く評価され始めている。

和食の分野では、地域の知恵と伝統によって、欧米社会では追従できないレベルに達して、今では各国に和食文化が広がり始めている。

 

エネルギー技術の分野でも、太陽光発電の技術開発では、世界の先端を進んでいたのだが、経済産業省の大きな判断ミスで、産業化を失速させてしまった。

バイオ燃料の技術開発では、世界でもまだ未発達の技術段階にある。

日本で発想されて、国内資源を利用できる『従属栄養型藻類』の増殖で、バイオ燃料の産業化を、今こそ最重点において支援すれば、トップに躍り出られる。

欧米技術に対する劣等意識は、日本を活性化するには、ブレーキにしかならないのだ。

中央官庁と国政の責任を負う政治家は、日本発の分野を最重視すべきだ。(続)