【アベノミクス】が第一の矢の失敗と、第二の矢の土建国家路線が、国民の信用を損ないかねないので、内閣改造によって【一億総活躍社会】を打ち出した。
マネーの流れのトップダウンコントロールは、実効性が無いことはもはや明確で、今度はトップの旗振りで、【総員奮励努力せよ】との路線である。
安倍首相はよほど戦前の日本が好きな様で、「日本再興戦略」とか、「強い日本を取り戻す」などの、勇ましい掛け声を繰り返している。
選挙で国民に公約した「景気回復、この道しかない」との路線は、アベノミクスのほころびで、信用失墜の寸前である。
「一億総活躍社会」とは、何を目指そうとしているのか、専任の大臣までつくりだして、縦割り行政の非効率を廃して、すべての政策を総動員すると言う。
新三本の矢に掲げている「GDP600兆円」、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」との看板は、中身がバラバラのレベルで、如何にも即席の感じが否めない。
「GDP600兆円」の政策動員には、これからの調整と言う有様だ。
少子化対策の「希望出生率」という政策目標は、初めて出てきた願望で、【少子化対策で産めよ増やせよ】の、戦前の看板のカモフラージュなのか。
「介護問題」は、厚生労働者の長期の取組課題であるが、【介護のために離職する人をゼロ】とは、要するに、一億人の大多数を仕事に邁進させたいのだ。
とにかく安倍政権の基本が、国民はわき目も振らずに、目の前の仕事に奮励努力することで、経済の指標のGDP数値が増えれば、強い日本の復活だとする。
先進国の大きな課題である、【経済成長だけを追求すると格差が拡大】して悪影響で、社会全体が不安感と不満の増大が進む、最重要課題を直視していない。
一人当たりのGDP追求だけでは、少子化の流れを改善することは、出来ない現実にも、真剣な政策検討を繰り返す努力もしていない。
少子化対策は、「女性活躍の場が増える」コトだけでは無理であり、「出産・子育てを応援する社会と」との公約実行すら、中途半端にゴマカシている。
若い世代の収入が、子育ての意欲を失わせる現実に、どの様な対策を打ってきたのか、「PDCAサイクル」を回すと公約しているが、それも実行しない。
それどころか、「国の存立を全うし、・・・安全保障法制の整備」については、国民の不安をあおり続けて閣議決定と国会の強行突破を図った。
公約には、数行しか書いていない「遠方離島周辺海域」への自衛隊の派遣を、拡大解釈で可能にしてしまった。これで、少子化の流れはさらに加速する。(続)