庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

財源創出の次は国内でのバイオジェット燃料支援策を。

2015-10-03 | バイオ燃料・バイオマス

ジェット燃料の新技術開発促進には、公的な支援策が必要であり、その政策費用の財源は、「ジェット機利用者」に負担してもらうことは理解されたでしょう。

では、どの様な方法で製造される「バイオジェット燃料技術」を、支援すればよいのか、その説明が必要ではないか、との要求が出てくるでしょう。

それは、「日本でのバイオジェット燃料製造方法」は、『従属栄養型藻類』の大量増殖によって、藻類が体内に生成するオイルを原料にする方法です。

このブログで、繰り返して説明してきましたが、何故、それに重点にするのか、理由がまだ納得がいかない人も多いでしょう。

 

そこで、今までの石油代替燃料の開発と代表的な方法の経緯を整理して、要点の説明を加えて理解の助けにします。

まず初めに、石油代替燃料の製造が大規模に進められたのは、ブラジルのサトウキビから作る「バイオエタノール」です。

お酒を作る発酵の方法で、砂糖きびの糖分をアルコールにする方法で、今や大量に生産されて、自動車用燃料として、ブラジルでは普及しています。

これにならって、アメリカでは、トウモロコシから作る{コーンエタノール}が、一部で普及が進んでいる。

 

しかし、今以上の増産をすると、食糧の栽培と競合するので、途中から促進を止めて、いまでは、多年生の草類から「セルロース成分を自動車燃料化」する研究開発が支援されている。

この研究は2005年頃からアメリカ政府は力を入れたが、有効な大量生産技術の見通しは、まだついていない状態で、今後も量産コスト低減は難しい。

そこで、アメリカ政府は、「光合成する藻類が体内に生成する油脂」成分を原料にする方法に、方針を転換している。

2009年頃からは、エクソンモービル社などの大手も、研究を継続している。

 

アメリカの様に、太陽光の恩恵を有利に得られる「大陸国家」であれば、この「光合成型藻類」の品種改良で、量産コストの引き下げが可能であろう。

しかし、日本の様に太陽光を受ける土地面積が限られて、【日照率が低い地域】での事業は、量産コスト削減が目標に届かない懸念がおおきい。

日本での「藻類からのバイオ燃料」を研究開発している民間企業も、最終的には日本国内での生産は、諦めざるを得ない状態になるだろう。

海外に生産移転では、エネルギー自給率の改善には貢献出来ないのである。(続)