バイオ燃料の製造技術の研究開発では、『従属栄養型藻類』の生成する油脂を原材料にする方法が、研究段階では成功している。
これに着目して、支援する必要がある「技術分野は多岐に渡る」ので、読者の判り易い様に、課題別の研究開発を上げて、おさらいをしておきたい。
まず『従属栄養型藻類』には、現在の第一候補は、「オーランチオキトリウム属」の藻類で、この原種は、日本で発見されている。
この藻類を、さらに品種改良をして、「より効率よく油脂を体内に生成する」品種を創りだす研究が重要になる。
次に、油脂を大量に生成する品種が、摂取するエサを、選定する必要があるが、日本の近海で栽培できる「大型コンブ」に含まれる養分が適している。
そこでまずは、この種類の大型コンブを栽培する技術の改善が必要である。
この技術は戦前の日本での研究が積み重ねられて、世界で最も進歩していた。
それが、戦前の満州国時代に中国沿岸での栽培に技術移転したので、今では世界一の生産地帯は、中国になってしまった。
この研究の更なる発展を、日本で再開して重点化すれば、海洋産業の活性化にも貢献するキッカケになるであろう。
この大型コンブから、養分を抽出して、『従属栄養型藻類』のエサを製造する技術は、日本の化学工業、食品工業の応用研究で、重点的に実行可能である。
今の段階から研究者を育成し、量産技術の開発を進めれば、多くの発明が生まれて特許化できて、日本の知的財産になる。
ベースとなる技術は世界の一流レベルであるから、研究技術者に明確な目標を提示すれば、短期間でも大きな成果を生みだす可能性は大きい。
大量生産の目標計画を適切に掲げて、設備の開発研究を惜しまずに進めれば、量産コストの低減も実現出来る。
そして、藻類に餌を与えて油脂を体内生成する『増殖設備の開発』が、本格的に取り組まれる。
この設備は、太陽光を受光する必要はないので、増殖に最適なシステムに設定すれば良いので、大きな敷地面積を必要としない。
日本の様に土地利用の経費が高くても、量産コストを引き下げる努力が成果を生みだし、石油由来の燃料を凌駕する、量産コストの実現が可能になる。
経済産業省や民間企業の経営者には、この実現可能性が理解できる筈だが。(続)