庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

自民党の官僚依存政治の典型である原子力政策の見直し。

2012-12-30 | 核エネルギー・原子力問題
安倍首相は就任後の訪問地として「福島に被災者避難者」と「福島原発事故処理中の現場」を訪問した。
福島県全体としては、すでに「福島県内の原発をすべて廃炉」にする様、要求を決定している。
しかし、訪問した安倍首相は、原発をゼロにする方針を曖昧にしたまま、被災者の苦労をねぎらう形を示すだけで、自民党政権が事故に関与した責任を、明確にお詫びすることもない。

原発の廃炉に要する費用は、事故前には【電力会社が積み立てて自己責任で処理する】原則になっている。
しかし、炉心溶融事故を起こした原発の廃炉費用は、どこまで膨張するかは今のところ判らないまま、東京電力は福島原発1~4号機の廃炉費用に約9000億円を用意している。
この費用は、当然、電気料金に反映して消費者にツケを回すだけでなく、溶融事故後の原発の廃炉技術を研究するために費用が追加になる。
自民党政権はこの費用は、国が補正予算案に計上して、数百億円を盛り込む。

この様に、従来の電力会社の廃炉積立では、完全に費用が不足するが、この追加費用が電気料金に上乗せされたり、税金で負担することは必須である。
原発の安全審査を、経済産業省の監督からは切り離すことが、国民の信頼を回復する最重要な事である。
それと同時に、原発の本当の発電コストを、経産省の管轄から完全に遮断した専門家の組織で、【廃炉費用】や【使用済み核燃料の処理費用】、【廃炉後の高レベル放射し廃棄物の処分と管理費用】をすべて明確にして、国民に説明する責任がある。

安倍政権の経済産業大臣は、この様な基本的なことの説明もしないで、いきなり3年以内に「原子力規制委員会」が、安全審査を急ぐように要求した。
本当の原発コストが未だに不明確のまま、とにかく電気料金の抑制には、原発の再稼働が唯一の手段であるかの様な【旧態依然たる姿勢】である。
この様な経済産業省の無反省ぶりを、露骨に打ち出す様では、原発の依存度を下げることを願望している国民の意思から、かい離して行くだけである。

突然の解散総選挙で、【原発ゼロに向けた政党が乱立】して、共倒れになった状況を、来年の参議院選挙に再現しようとのモクロミだが、果たしてそうか。