庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

短期の再稼働問題を持ち出す意図は重要論点をぼかす為。

2012-12-02 | 国創り政治問題
総選挙の争点に『脱原発路線』が是か非か、と問う「マスメディアの風潮」が、国民の選択を惑わせる原因となっている。
自民党以外は、すべての政党が脱原発路線に転換し、その転換に懸ける期間とやり方を、スローガン的に競っているだけの論戦に留まっている。

短期的な課題としては、「安全基準を完全に満たした」上での、原発の再稼働を認めるか、どうかを問う質問が論点として浮かびあがる。
これは、来年の7月以降(原子力規制委員会の安全基準が決定出来る時期)に、判断すれば良いのに、今の時点で持ち出す意図は何か?

脱原発を最短期間で実現しようとする政党は、「原発発電コストは既に高い」と主張し、さらに『今以上の使用済み核燃料の増加はダメ』との立場にある。
「日本未来の党」「共産党」「みんなの党」「社民党」「新党大地」が相当する。

脱原発に路線転換するが、その実現には課題が多くあるので、「安全が確認された原発は再稼働する」として、天然ガスへの転換政策や「再生可能電力」の促進を図るために移行期間が必要だと、「現実的な政策運営」が前提だと反論する。
「民主党」「公明党」「日本維新の会」「国民新党」「新党改革」の主張になる。
つまり『現実的に考える』ことが出来る政党だと「論点を逃げている」のだ。

そこで、次の「再稼働容認の条件」には、「安全性」「中央政府の判断」だが、さらに重要な判断基準として「地域住民の賛成」が必要かどうか?で「最重要な論点」が見過ごさない様に、『メディアの役割』を果たすべきである。

仮安全基準に適合したとして、野田内閣は、大飯原発の再稼働を強行した。
その背景には、関西地域の広域自治体連合が【万が一の停電の危険性】に自信が持てない為に、原発の再稼働を「大飯原発2基だけ」を【夏場の期間だけ】に限定した容認姿勢に転換したので、これにすがりついての決断であった。

民主主義の基本には、地域住民の意思を汲みあげることが最も重要である。

福島県では、「福島県内の原発を即時廃炉に」と、県民全体での合意が出来ているが、民主党野田内閣は、この地域の意思すらも汲みとれずに、電力会社の都合ばかりを優先して、廃炉決定すらできない。
「再稼働容認」の条件に「地域住民の賛同」が必須であると、明確に政権公約に入れられないで、「決断しない体質」をマダマダ引きずっている。

この【決断出来ない原因】には、政権公約で『地域主権を実現する』との基本路線が、全くの絵空事の段階で、中央支配のことしか頭にないからである。