庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

総選挙前半戦は中央官僚依存派の作戦成功で維新は遠のく。

2012-12-03 | 国創り政治問題
総選挙の公示前に政党同士のスローガン争いは、脱原発論争と安全保障論争で、終始してきた。
この両方とも、論点は複雑になる様に見えるが、実は日本の目指す方向は少しも違わないのに、各論、方法論で議論が錯綜している様に見えるだけである。

この複雑に見える様な論争を、浮き彫りにしてきた「マスメディア」の責任が大きいが、この影で誰が得点をしたのか考えれば、狙いはすぐわかる。

脱原発への路線転換は国民的総意で、原発を「早くやめる」か「徐々に減らして止める」の意見が84%も占めているのだ。
「使い続ける」選択は16%いるが、3年間で原発の実態が明らかになれば、原発再稼働の実行は不可能、または、必要がないと判明する。

安全保障問題は、短期間で解決する様な問題ではなく、10年20年、いや50年単位で国家戦略を立てて、外交努力を積み上げていくしかないので、勇ましいスローガンを掲げることは無意味、いや有害でさえある。

この愚かな論争を最前面にすることで、もっとも重要な課題がボヤケテしまい、「国の将来像」は遠くの問題である様に、感覚がコントロールされてしまう。
その最重要な直近の問題は、【中央集権の官僚依存国家のママで行く】のか、地方政府に主権を移行させて、地域毎の自立的努力を誘発する、『地域主権国家に転換して行く』かである。

「日本維新の会」は、地方政府の裁量権を大幅に増やして、地域の力を存分に発揮させる「国創りの将来像」を描いて、政党を発足させてきた。
選挙前の勢いは、第3勢力として多数派を占めて、キャスチングポートを握る可能性が大きくあった。

ところが、原発問題、安全保障問題を持ち出して来た為に、脱原発で分裂傾向になり、安全保障では完全に分断された。
このおかげで、自民党の曖昧政党と民主党の決断しない党は、相対的にうき上がって「現実派政党」として、一定の支持率を確保することが出来る。
第3極勢力は、第4極、第5極と勢力を分断されるので、『キャスチングポート』を握る可能性はなくなってしまった。

この状態で一番喜ぶのは、「既得権を持った中央官僚勢力」のグループである。
自民党も民主党も中央官僚に依存して[大きい政府]を維持することが、当座の目標であるから、前半戦では成功している。
石原新党がその助けをしたのだ。