庵KM

技術屋OBの環境問題独り言

経済問題。交通問題。健康問題。そして、日本の国創り問題。快適社会問題。

複雑な政策目標が錯綜する政治では経験と度量が必要。

2012-12-26 | 経済問題
自民党・公明党の連立政権が発足するにあたって、連立合意文書の協議を重ねて合意した。
「脱原発依存社会」に向けての公約は、両党では明らかに違っているが、合意文書では「可能な限り原発依存度を減らす」として、玉虫色の表現にしている。
自民党はもともと「3年間は様子見」を公約として、再稼働についてどうするかは、アイマイのママにしている。
原発の数基を再稼働するかどうかは、国家の重大決断ではない、としている。

安倍総裁が言いだした「日本国憲法の改正」は、従来からの安倍氏の持論だが、自民党内部でも議論が進んでいたわけではないから、公明党の懸念に対してあっさりと「憲法改正に向けた国民的議論を深める」と表現を大幅に弱めた。
経験の多い政治家がいることで、今後の4年間で「政権維持」をするために必要な優先度の高い政策目標は、『大胆な金融緩和を断行してデフレ経済からの脱却』の一本に絞る連立合意である。
つけ足しに、当面の景気対策に効果のある「防災・減災の公共投資」を実施して、消費税増税判断に重要な指標となる2013年4月~6月の景気指標をかさ上げすることに重点をおく。

対照的なのは、民主党政権の3内閣であった。
党内の意見を十分な議論を経ないで、総理が唐突的にぶち上げて内紛状態を繰り返しては、主流派を構成して【最重要でない政策決定の迷走状態】を国民に見せつけては、しりすぼみで何も決められない。
政権交代で民主党に託した国民は、「裏切られた印象」を深く記憶に焼きつけた。
極め付きは、【公約には書いていない消費税アップ、原則関税ゼロのTPP参加】を、各方面の反対激化と党内異論を無視した、主流派意識の暴走である。
400以上の国会議員がいたが、今やわずか54議員に留まる凋落状態だ。

今回の総選挙で『脱中央官僚依存』を主要公約に掲げていた「維新・みんな・未来」の3党は、「脱原発政策」でゼロ目標に期間の違いがあるだけであった。
消費税の地方税化や、TPP交渉参加などの政策の違いがあるが、【自民・公明】の違いレベルとほとんど同等である。
比例区での投票率は、「自民(28)・公明(12)」で40%に対し、「維新(20)・みんな(9)・未来(6)」で35%を得票して拮抗している。

国民の期待を集約・合意出来ない【未熟政党】しか持てない国民の不幸だ。