自分の中でちょっとだけ頑張ってきた。
「マイアミ・マーリンズのイチローです。ここにいる3チームのみんな、本当におめでとう。199チームの中から、3チーム残ったこと、勝ち上がったこと、本当に凄いと思います。僕は5チームの中で今年も3位でした。
今年の僕がみんなにかけてあげられる言葉を少し探してみました。今年メジャーリーグで3000というヒットを達成することができました。こういうことがあると、イチローは人の2倍も3倍も頑張っているという人が結構います。でも、そんなことは全くありません。
人の2倍とか3倍頑張ることはできないよね。みんな頑張っているからわかると思うんだけど、頑張るとしたら自分の限界・・・自分の限界って自分でわかるよね。その時、自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいなというふうに思います。
みんなが今、ボクを目の前にして・・・日本のプロ野球で何年かやって、アメリカに行って16年終わったんだけれども、そういう目に見える結果を残したからそんなふうに言えるんじゃないかって思っているかもしれないけど、それは全く違っていて、僕もみんなと同じ野球少年だったし、ここに今日来てくれた関根選手(横浜ベイスタ―ズ)もみんなと同じ。しかも彼は毎年、1回戦負けの選手でした。ね?みんなの方が、成績がいいんだよ。現段階では。
彼もきっと人との比較ではなくて、自分の中でちょっとだけ頑張った。そのことを続けていくと、将来、思ってもみなかった自分になっている。と僕は思うし、実際、僕だってメジャーリーガーになれるとは思っていなかったし、アメリカで3000本打てるなんてことは全く想像できなかったんだけど、今言ったように、自分の中でちょっとだけ頑張ってきた。それを重ねることで、今現在(の自分)になれたと実感しているので、今日はこの言葉をみんなに伝えたいと思います。」 (イチロー杯、大会長イチローの挨拶から抜粋)
Full-Countという野球のコラムの中に「イチローの金言・イチローが子供たちに伝えたかったこと」と題してイチロー杯での挨拶の全文が載っていた。
子供たちに優しく語り掛けているのだが、読んでみると全ての人たちへのメッセージだ。「人の2倍、3倍とか頑張ることはできないけど、自分の限界の中でもう少しだけ頑張ってみる」「続けていくと、思ってもいなかった自分になる」
高校、大学と陸上競技をしていたが、「自分の限界を自分で作ってしまい、いつの間にか諦めていた。だから、もう少しだけ頑張ってみるということが出来なかった」という苦い経験がある。考えてみれば、スポーツと仕事という違いはあるものの、今も当時と本質的には同じような状況と言える。「自分の限界の中でもうちょっとだけ頑張ってみる」という子供たちへの言葉は、同時に今の私へのタイムリーなメッセージだった。 平成28年12月28日 笹原 真二
「マイアミ・マーリンズのイチローです。ここにいる3チームのみんな、本当におめでとう。199チームの中から、3チーム残ったこと、勝ち上がったこと、本当に凄いと思います。僕は5チームの中で今年も3位でした。
今年の僕がみんなにかけてあげられる言葉を少し探してみました。今年メジャーリーグで3000というヒットを達成することができました。こういうことがあると、イチローは人の2倍も3倍も頑張っているという人が結構います。でも、そんなことは全くありません。
人の2倍とか3倍頑張ることはできないよね。みんな頑張っているからわかると思うんだけど、頑張るとしたら自分の限界・・・自分の限界って自分でわかるよね。その時、自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいなというふうに思います。
みんなが今、ボクを目の前にして・・・日本のプロ野球で何年かやって、アメリカに行って16年終わったんだけれども、そういう目に見える結果を残したからそんなふうに言えるんじゃないかって思っているかもしれないけど、それは全く違っていて、僕もみんなと同じ野球少年だったし、ここに今日来てくれた関根選手(横浜ベイスタ―ズ)もみんなと同じ。しかも彼は毎年、1回戦負けの選手でした。ね?みんなの方が、成績がいいんだよ。現段階では。
彼もきっと人との比較ではなくて、自分の中でちょっとだけ頑張った。そのことを続けていくと、将来、思ってもみなかった自分になっている。と僕は思うし、実際、僕だってメジャーリーガーになれるとは思っていなかったし、アメリカで3000本打てるなんてことは全く想像できなかったんだけど、今言ったように、自分の中でちょっとだけ頑張ってきた。それを重ねることで、今現在(の自分)になれたと実感しているので、今日はこの言葉をみんなに伝えたいと思います。」 (イチロー杯、大会長イチローの挨拶から抜粋)
Full-Countという野球のコラムの中に「イチローの金言・イチローが子供たちに伝えたかったこと」と題してイチロー杯での挨拶の全文が載っていた。
子供たちに優しく語り掛けているのだが、読んでみると全ての人たちへのメッセージだ。「人の2倍、3倍とか頑張ることはできないけど、自分の限界の中でもう少しだけ頑張ってみる」「続けていくと、思ってもいなかった自分になる」
高校、大学と陸上競技をしていたが、「自分の限界を自分で作ってしまい、いつの間にか諦めていた。だから、もう少しだけ頑張ってみるということが出来なかった」という苦い経験がある。考えてみれば、スポーツと仕事という違いはあるものの、今も当時と本質的には同じような状況と言える。「自分の限界の中でもうちょっとだけ頑張ってみる」という子供たちへの言葉は、同時に今の私へのタイムリーなメッセージだった。 平成28年12月28日 笹原 真二