花好き・旅好き80代の北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だったが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり外国は見合わせている。

南イタリアの旅(6)

2010年05月25日 | 海外旅行「西ヨーロッパⅡ」北イタリア・南イタリア
《メッシーナ海峡を渡り、アルベロベッロとマテーラへ》
5日目、マイクロバスでホテルを出、下の駐車場でバスに乗り換えてから北に1時間走ると、シチリア島の北東側の海峡の町メッシーナに着いた。
そこからバスごと大型フェリーに乗ること30分、(①はフェリーから傍の船と港町メッシーナ写した) 僅か2.7kmのメッシーナ海峡を渡るとイタリア本土の港町、ビラ・サンチョバンニ②に着いた。船内からはシチリア島が何時までも見えていた。

 ① ②

そこからは海岸線と内陸を北北東に7時間走り、アドリア海の近くにある町、世界遺産「アルベロベッロ」に行った。その日は長靴型をしたイタリア本土のつま先からかかとの付け根まで移動したことになる。

「アルベロベッロ」という町の名は「素晴らしい木」の意味で、緑の森に囲まれた地域を指しているという。
ここは円錐形の屋根でできた白壁の家「トゥルッリ」があることで有名である。
町が近づくと畑の中に点在するトゥルッリが見えて来た。どうやら古くは農作業の小屋として造られ始めたらしい。
ガイドブックによると、石灰岩を薄く割って接合材を使わずに屋根に円錐形に積む建て方は、中近東からギリシャを渡って伝えられたらしい。屋根に降った雨を樋で地下に集め、水を溜める構造にもなっている。
簡素な構造なので、領主が壊して小作人を追い出しやすかったとか、また、税の徴収人が来た時に、屋根を壊して姿をくらますのに都合が良かったとか伝えられているらしいが、今ではもうトゥルッリを造る技術者がいないのだそうだ。
町には今も千数百戸のトゥルッリがあるが、壁が1mと厚いため、夏は涼しく冬は暖かい。それで現在でも住居、土産屋、レストランなどとして使われていて、見ているとおとぎの国に迷い込んだような不思議な気分になった。③④
現地ガイドの説明では、世界遺産になってから価格が上がり、2DK1戸の価格は3000万円もするらしい。

 ③ ④

私たちは一部にトゥルッリがある新しいホテルに1泊してから、翌日、80km西方の内陸の古代都市「マテーラ」に向った。
マテーラは、1993年から世界遺産になった洞窟住居「サッシ」で有名な町だ。
旧市街に行ってみると、ほぼ500m四方に広がるすり鉢状の地形に、まるでゴーストタウン同然の「サッシ」がぎっしりと立ち並んでいた。⑤⑥
この辺りの地形の元になっている岩が柔らかいために、大昔から貧しい人々が洞窟を掘ったり、切り出した石を積み上げて住まいを造り、住みついたらしい。中には家畜と同居する家もあり、給排水や電気の設備がないため極めて不潔な生活だったので、近年、町が強制的に人々を他へ移住させたのだ。私はトルコのカッパドキアを思い出した。

 ⑤ ⑥

今ではその一部に町が電気、上下水道を設置して、貸し出しているという。
広場に小さなサンタ・マリア教会があった。⑦ 中に入って見るとやはり岩肌がむきだしている狭い洞窟教会だった。11世紀にイスラム教徒から迫害されたトルコの僧侶が建てたという。
その後、新市街に行った。きれいな町だった。⑧ レストランで昼食を食べた。そこも大きく岩をくり抜いた洞窟になっていた。入り口では、先生に引率された小学生の集団が賑やかに食事をしていた。

 ⑦ ⑧ 


コメント (5)
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