なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胆嚢炎でした

2015年06月08日 | Weblog

 腹痛の86歳女性が救急外来で点滴をしているから診てほしいと、当直だった神経内科医に言われた。昨日の昼前から心窩部痛があり、夕方からは右下腹部痛になったという。腹部手術の既往はなかった。3月に内科クリニックの紹介で基幹病院呼吸器科を受診して、肺癌と診断されたが、高齢のため経過観察になっていた。

 急性虫垂炎のような経過だった。白血球数は9000でCRPは0.1とまだ上昇していない。右下腹部に圧痛があった。肺癌精査の時にも造影CTを行って特に有害事象はなかった。さっそく肺癌の検査も含めて胸腹部造影CTを行った。やせているので相当読影しにくいが、明らかな虫垂炎の所見はなかった。むしろ胆嚢の腫脹が目立った。腹部エコーで見ながら再度触診した。最初は右下腹部と判断したが、右季肋部よりの部位だった。内臓下垂で腰曲りがあるので下の方になる。腹部エコーで見ると、胆嚢壁が肥厚して、内部にdebrisがあった。胆嚢結石はない。腹部エコーでも腹部CTでも総胆管の拡張はない。無石胆嚢炎になる。左下肺に確かに肺癌を認めたが、明らかな転移はなかった。この胆嚢炎は肺癌と関係があるのだろうか(リンパ節転移があるとか)。

 抗菌薬で保存的に治療して治まるかどうかわからない。86歳で肺癌もあり手術は避けたいところだが、少なくともPTGBDをしないと難しいのではないか。外科の外来に行って当番の先生に相談した。外科で入院治療してもらうことになった。それにしても息子さんは患者さんの前で、肺癌の話をはっきり聞こえる声でしていた。ご本人も肺癌と言われているのだろう。

 

 学会帰りなので、新宿の小田急デパートで買ってきた洋菓子(最近はお店から郵送)を病棟や外来に配って歩いた。おいしそうなマドレーヌだが、お土産らしいお菓子の方がよかったかもしれない。昨日、日直の帰りに丸善でmedicina5月号のついでに「こんなとき、フィジカル」金原出版を買ってきた。徳田先生がかっこよく書かれている。

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今日は日直ー今のところ入院なし

2015年06月07日 | Weblog

 学会から帰ってきて、今日は日直で病院に出ている。肝硬変・肝性脳症の70歳男性が救急搬入された。外来で担当している消化器科医が朝病院に来ていたが(昨日の当番で早朝の入院患者さんを診に来ていた)、一昨日から発熱・下痢で体調不良だった。今日は良くなってきたという。

 血清アンモニアが100台で高いと250~300になる。必ずしも血清アンモニアが肝性脳症の程度を反映しないこともあるが、この方は値に一致して症状が軽快増悪してわかりやすい。今日は260だった。傾眠状態で声かけすると会話ができるが、またうとうととしてしまう。いつものアミノレバン点滴を開始して半分入ったところではっきり開眼するようになった。点滴が終わるころには食事もとれて、普通に覚醒している。できるだけ外来でみるという方針で付き添ってきた妻もそのつもりだった。

 85歳男性が胸が栗しいと受診した。この方は膀胱癌・肺癌があり、何かの成り行きで消化器科外来で診ている。先月食欲不振などで入院して、数日前に退院していた。今日はせき込んだ後に喘鳴が出て胸が苦しかったという。病院に来たときには落ち着いていて、胸部X線で確認したが右肺癌は前と変わりなかった。バイタルも特に問題なく、ご本人も落ち着きましたというので帰宅とした。

 先月末に外科で右鼠径ヘルニア手術をして90歳女性が3日前からの腹痛で受診した。昨年は閉鎖孔ヘルニアから絞扼性イレウスで手術を受けている。腹部造影CTを行ったが、明らかなイレウスや他のヘルニアはなさそうだった。日直をしている外科医(大学病院から応援)とも相談したが、今日は帰宅として明日外科外来に来てもらうことにした。

 内科の入院なしという穏やかな日直だった。当直帯で入るかもしれないが。

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化学療法学会2日目

2015年06月06日 | Weblog

 化学療法学会2日目。モーニングセミナーは三鴨先生で、敗血症マーカーのプレセプシンの話だった。プロカルシトニンは2-3時間で反応して、感染症を合併しない侵襲の大きな疾患でも上昇するが、プレセプシンは2時間未満で反応して、単なる炎症性マーカーではなくて主に感染症が存在する場合に上昇する。プレセプシンンは前pre+敗血症seps(is)+蛋白(prote)inの意味で可溶性CD14サブタイプ。500以上を敗血症(314以上が参考値)とするが、200以上なら何かあると考えていいそうだ。APACHEⅡスコアと相関して重症度を良く反映するので、予後予測マーカーとしてプロカルシロニンよりも有効だ。再発の予測マーカーにもんる、高いままだと再発する。ピットフォールとしては、プレセプシンは腎排泄なので慢性腎不全や透析患者では高値になってしまう(急性腎不全では使える)。肺炎では有意差は出るが、差は今一つだという(CAPでは重症でないと差がつきにくい)。セミナーで出されたサンドイッチが豪華でちょっと驚いた。

 午前中はワクチンと緑膿菌の抗体療法などの講演を聴いた。ランチョンセミナーは富山大学病院の感染症科を立ち上げた山本善裕先生の感染管理の講演を聴いた。御出身の長崎大学から感染症の教授が30数名も出ているそうだ。

 午後はクロストリディウム・ディフィシル感染症(CDI)のシンポジウムを聴く。最近、当院でもCDIが複数出ているので関心があった。下痢を欠く症例もあり、腸管穿孔・イレウス・中毒性巨大結腸症などの重症例では最初から下痢を欠くそうだ。抗菌薬で腸内細菌叢のバランスが崩れると、回復するまで数週間から2カ月くらいかかる(その間に再発しやすい)。軽症~中等症では抗菌薬を中止して2-3日経過をみると15~23%で軽快するが、まあ通常は治療することになる。メトロニダゾール500mgを1日3回10日間投与(まずこちらから)かバンコマイシン125mgを1日4回10日間投与する。バンコマイシンでは阻害できない芽胞も阻害するfidaxomicin(200mg1日2回)が治験中。重症ではバンコマイシン125~500mgを1日4回10日間投与する。腸管の問題で経口投与できない時は、メトロニダゾール500mgの点滴静注やバンコマイシン500mgを注腸(併用も)。再発時(治療完了後8週間で再燃・再感染)は、1回目では初回と同じ(重症はバンコマイシンへ)、2回目の再発ではバンコマイシンのパルス療法を行う。便移植療法は90%の治癒率だというが、実用は難しそうだ。プロバイオティクス(クロストリディウム・ブチリクム=ミヤBM)はエビデンスが確定していないが、併用されているようだ。毒素吸着療法(もうすぐ実用化)や抗CD toxinモノクローナル抗体療法(まだ研究段階)もある。検査でCD抗原陽性・CD toxin陰性でも、培養すると2/3はtoxin陽性になるので、治療するそうだ。

 その後、抗酸菌感染症のシンポジウムも聴いた。未だに日本は結核の中蔓延国で常に結核の可能性を考える必要がある。年間2万1千人が発症して、塗抹陽性が8千人になる。70歳代~80歳代の高齢者が多く、戦後期に感染して再活性化したものだ。2011年段階で54%が治療成功するが、15%は死亡している(高齢者が多い)。治療開始後2カ月での菌陰性化が重要で、陰性化しないと難治性になる。診断・治療の遅れが問題で、doctor's delay(診断まで時間がかかった)とpatient's delay(健診で指摘されても受診しない)がある。多剤耐性結核(MDRTB)はイソニアジドとリファンピシン2剤に抵抗性の結核菌で、不規則な服用・副作用で結核薬が使用できない・不適切な処方(キノロン単独)・最初から耐性菌感染(ロシア・中国)などで起こる。数十年ぶりに新規抗結核薬が出てきていて、MDRTBにも有効・治療期間が短くできる・重篤な副作用が少ないなどの利点がある。

 ICD講習会にも出たので、大分疲れた。これで3回出席したのでICDを申請することができる。やれやれ。

 

 

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化学療法学会

2015年06月05日 | Weblog

 化学療法学会で京王プラザホテルに来ている。教育講演での川崎医大・沖本二郎先生の「漢方と感染症」の講演が面白かった。
感染症では起炎菌・抗菌薬・宿主の三角形が出てくる。このうち宿主については、何もなされていないという。西洋医学には高齢者の体力を改善させる治療はない。補中益気湯は老化した(弱った)宿主を良くすることができる。
インフルエンザ発症時の麻黄湯は定番になっている。タミフル・リレンザと同等があり、併用するとさらに効果がある。作用部位も科学的に証明されてきている。1週間経過しても治らない時は柴胡桂枝湯を使用する、さらに1か月経過しても治らずに咳が続いている時には竹茹温胆湯を使用する。高齢者のNHCAPは、インフルエンザ後の二次性細菌性肺炎と誤嚥性肺炎で、前者の起炎菌は肺炎球菌・黄色ブドウ球菌・インフルエンザ菌。呼吸器学会では65歳以上のインフルエンザに抗菌薬を処方して良いことにしているという。誤嚥性肺炎には半夏厚朴湯・清肺湯が使える。非結核性抗酸菌症にも小柴胡湯や補中益気湯を使用する。

 ランションセミナーは矢野邦夫先生のは売り切れで、喘息・COPDの講演を聴いたが、喘息のガイドラインが新しくなったっということ以外は参考にならなかった。午後は大曲先生の副作用出現時の抗菌薬の使用方法を聴いた。すぐに抗菌薬の副作用と決めつけてはいけないという。抗菌薬使用中の臓器障害は、)併存疾患の増悪、2)感染症による臓器障害、3)薬剤による臓器障害の場合がある。抗菌薬の副作用には、1)アレルギー(即時型・遅発型・未分類だが重篤)、2)代謝物の影響、3)代謝への影響、4)体内正常菌叢攪乱がある。具体的には、アナフィラキシー・皮疹・発熱・血清病・肺病変(PIE)・血液異常(溶血性貧血・白血球減少・血小板減少)・PTの延長・腎障害(用量・アレルギー)などがある。

 その後、Pros&Cons日常診療の疑問に答えるを聴いていた。テーマは、ESBL産生菌にカルバペネムを使うか他の抗菌薬を使うか、Sepsis・Septic shockに単剤で行くか併用で行くか、術後感染予防抗菌薬にバンコマイシンを使うか使わないか、だった。なんだかんだと竹末先生が牛耳っていた。結論としては、ESBL産生菌にはカルバペネムを使う、Septic shockには原則単剤だが場合によって併用する、術後感染予防抗菌薬としてバンコマイシン単独はない、だったと理解したが違っていたかもしれない。

 

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肝膿瘍

2015年06月04日 | Weblog

 一昨日の夕方にクリニックの先生から不明熱の患者さん(64歳女性)を紹介したいという電話が来た。先々月からの発熱というので、亜急性の経過で緊急性はないと思ったので、翌日の内科新患に紹介してもらうことにした。発熱以外の症状はないそうだ。そこには高血圧症・高脂血症で通院している。3週間くらい経過しての受診で、クリニックで抗菌薬を処方して約3週間抗菌薬を投与してみたが軽快しない。ニューキノロンやミノマイシンが処方されていた。通常ならばもっと早く紹介するはずだが、日中は平熱から微熱(夜間に38℃台)で重症感があまりない印象だったのだろう。

 その日は内科再来で、新患担当は内科の若い先生だった。朝の段階では、発熱以外の症状がないことから、感染症としては心内膜炎がありうるか、どちらかというとリウマチ抗原病かなと話していた。

 診察しても確かに発熱しか症状がなかった。倦怠感を訴えて入院を希望されているという。画面で検査結果を確認すると、白血球数14000、CRP10だった。ALPとγ-GTPがわずかに上昇していたが、AST・ALT・LDH・総ビリルビンは正常域だった。HbA1cが6.7%と軽度の糖尿病があるようだ。次に、胸腹部CTを確認した。肺炎はなかった、腹部を見るといっせいに「あっ」と声が出た。肝臓右葉に明らかな肝膿瘍があった。胆嚢が腫大していないが、壁肥厚と結石(1個)があって、肝床部から膿瘍につながっている。胆嚢炎からの波及だ。CT一発で診断だついた。

 その前に循環器科医をつかまえて、心内膜炎疑いで心エコー検査を依頼したばかりだった。菌血症からvegitationが付く可能性もないとはいえないことと、術前検査の意味もあって、そのまま心エコーは行うことにした。入院は外科で診てもらうことになった。

 患者さんのところに行って、内科と外科で右季肋部~側腹部~背部に疼痛・違和感がないか何度も確かめたが、何でもないという。圧痛・knock painもなかった。若い先生は診察で所見がとれないことを残念がっていた。外科医は胆嚢癌だろうという。胆嚢癌が肝床部から肝臓に浸潤して、胆嚢の炎症がそのまま肝臓に波及したと考えていた。CEAは正常で、CA19-9は200ちょっとだった。炎症でも上がるので何とも言えないが、外科医の解釈が正解のように思える。MRIも行うが、画像だけで癌と診断するのは困難かもしれない。癌だと播種させる可能性があるので、うっかり穿刺もしにくいという。

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17歳の心(肺)停止

2015年06月03日 | Weblog

 早朝に17歳男性が救急搬入された。突然に心肺停止に陥ったそうだ。親が心マッサージをして救急要請した。搬入時、意識は戻っていて、Ⅱ度の房室プロックだった。当直医(若い整形外科医)が硫酸アトロピンを静注して、正常洞調律に戻った。その後、循環器科医が引き継いだ。戻った状態での心電図・胸部X線・心エコーは異常がなかった。刺激伝導系の問題らしい。

 母親は看護師さんで、心マッサージをしたのはさすがと思ったが、実際は気が動転して立ちすくんでしまい、心マッサージは父親がしたそうだ。呼吸してないこと、心拍がないことは診たらしい。

 入院して心電図モニターで観察すると、基本的には正常洞調律だが、数秒のMobitz Ⅱ型房室ブロックが出る。心拍停止した時の心電図変化は不明だが、心室細動ではなくて洞停止だったのではという。大学病院の不整脈グループに連絡して転院の予定になった。

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胃瘻(PEG)の適応

2015年06月02日 | Weblog

 昨日89歳男性の家族と胃瘻造設の相談をした。そもそもは誤嚥性肺炎で当地の基幹病院呼吸器科に入院した。抗菌薬投与で治癒して、経口摂取(全粥刻み食)もできるようになった。妻が小手術を受けることになり、夫婦二人暮らしで認知症で妻の介護がないと生活できないため、すぐに自宅に戻れない。その間当院で診てほしいという依頼で当院に転院になった。預るだけの社会的な入院のつもりだった。

 勝手に動いてしまい、歩かせると転倒する。ベットか転落転倒する危険があり、ベットの時は体幹抑制をして(基幹病院でもしていた)、日中食事摂取の時は体幹抑制付きで車いすで過ごした。1週間くらいして昼食の時にひどくむせったが、その後は普通に食べ出してむせなかった。何ごともなく過ぎるか思われたが、その晩に呼吸困難となった。胸部X線で両側肺に広範な浸潤影があった。幸いに高流量酸素・抗菌薬投与で粘っているうちに3週間くらいかけて回復した。その間末梢からの点滴が困難になり、点滴の期間も長期になるので、中心静脈ラインを挿入して高カロリー輸液になっていた。

 慎重にST介入で嚥下訓練を行ったが、何度やっても痰のからみとせき込みがひどく、経口摂取は断念せざるを得なかった。高カロリー輸液なので体力の低下もなく安定している。

 娘さん(子供は姉妹で長女が来院した)に来てもらって、今後の方針を相談した。このまま高カロリー輸液を継続するか、胃瘻造設を行うかというものだ。姉妹と妻で話をして、胃瘻は希望しないことにしていたという。体幹抑制のままだが、周りをきょろきょろとみている。発語は一言くらいで、会話は成り立たないが、末梢用の点滴に戻すのもためらわれる。高カロリー輸液を継続して、感染症(肺炎や尿路感染)が起きたらそれなりに治療する方針となった。当院は一般病床(DPC)しかないので、療養型病床を持つ病院に転院の申し込みをして、空くまで当院でベット待ちとなる。

 PEGを行うとすれば、ドルミカム静注で鎮静をしないと絶対に内視鏡挿入はできない。年令の割に体力はあるので、適応なしとはいえないが、現実的にはないのかもしれない。単に適応と禁忌の表をみて決めるわけにはいかない。

 この前、精神遅滞で施設に入所している70歳くらいの男性が、嚥下障害で食事摂取できなくなって(脳神経の問題と判断)、消化器科に胃瘻造設目的の入院となった。内視鏡を挿入すると食道癌で狭窄していたという。施行前に胃の位置(腹腔内にどのくらい広がるか)を見るためにCTを施行していたが、食道癌に気づかなかったそうだ。後からその目で見れば病変として指摘できた。経鼻内視鏡に切り替えて、なんとか造設したという。施設では食道癌があるなら見られないと渋ったそうだが、癌が進行して入院を要するまでは施設でみてもらうことになった。

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むずむず脚症候群

2015年06月01日 | Weblog

 昨日の日曜日の日直で33歳女性が救急搬入された。当地の基幹病院消化器科で膵腫瘍が疑われて、そこからさらに当県有数の市立病院に紹介されて精査予定だという(膵癌ではなく、家族の話からするとsolid pseudopapillary neoplasmかもしれない)。

 それに直接関した症状ではなく、呼吸困難感(酸素飽和度は正常)と両側下肢の違和感という。救急隊が両方の病院に搬入を依頼したが、受け入れ困難で当院に連絡が来た。過換気症候群などの心因性の症状を思われたので、引き受けることにした。

 搬入には呼吸困難感は消失していた。もっぱら両側下肢のびりびりした感じ・いてもたってもいられない感じを訴えた。両下肢を切ってほしいくらいだと表現した。これはいわゆる「むずむず脚症候群」なのだろうか。表情や訴え方が精神的なものという印象を受けた。以前にパニック障害で精神科や心療内科のクリニックに通院した既往があるという。

 とりあえず、過換気症候群の状態だったら使用するつもりだったアタラックスP1Aを点滴静注してみた。多少効いて、下肢の違和感が出たり引っ込んだりするようになったという。その後、パニック障害の発作時に準じてコンスタン1錠を内服してもらったが、あまり効果はなかった。

 むずむず脚症候群ならランドセンかと思ったが、使ったことがないしちょっと迷った。夕方になって当直で病院に来た神経内科医と相談して、ランドセン0.5mgを内服してもらった。30分くらいで眠気をきたしてうとうとし出だした。夫に付き添ってもらって一晩入院にする手続きをしていたが、2時間くらいで症状が軽快して(皮膚の表面の一部のみに残ると表現された)、帰宅することができた。以前通院していた精神科か心療内科のクリニックの受診す勧めた。

 今日夫が外来に来て、消化器科で精査する予定の市立病院を受診したいとそこ宛ての紹介状を希望された。神経内科を希望され、そこは平日日中ならば精神科もあって、その方が好ましい様な気がした。夫にその点をお話して、紹介状には必要ならば院内でご高配下さいと記載した。確か神経内科常勤医が4名くらいで、精神科も精神科救急を目指していて、まだ途中ではあるが2名の精神科常勤医がいるはずだ。昨日電話で訊くと、夜間休日に精神科救急を受ける体制にはないと内科系の日直医師が言っていた。

 それにしても当地の基幹病院はうまく逃げたなあという話になった。結局日直の時間帯は過ぎて、午後8時までのお付き合いした。消化器科の精査を受けることがきっかけになったとすれば、気の毒な状況ではあるのだが。まあ貴重な体験だったと思うことしよう。

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