この時期の入院患者さんでは、お盆前に退院できるかどうかが問題となる。認知症の患者さんの場合などは、家族からお盆の間は入院させておいてほしいと希望されることもある。
癌の緩和ケア中の高齢者が6人入院している。いずれも高齢者だ。肺癌の男性は食事ととれるようになって、いったん入所していた施設にもどることになった。また日中息子夫婦がいない膵癌の男性は、ステロイドで食事摂取良好となったが、いったん帰れるかどうかは家族の意向しだいだ。一人暮らしの肺癌の女性は帰りようがないのでそのまま入院継続になる。肺癌の男性も身寄りが甥しかなく、状態が良くても入院継続になる。肺癌の女性は認知症があって、食欲があっても華族が受け入れたがらない。肝細胞癌の男性はやはり最期までお願いしますということで、退院はない。
肺炎で入院している高齢者は、認知症のない患者さんはできればお盆前に帰りたいと希望することが多い。認知症があると、家族がお盆の間は病院に置いてほしいと言われる。
公立病院なので、病院自体のお盆休みはないが、医師・看護師が交代で休みをとるため、体制は手薄になる。内科系医師8名のうち、3名しかいない日も出てきてしまう。自分はなるべくこの時期には休まないようにしているが、母親の新盆でお寺の住職が実家に来る日は休ませてもらうしかない。