なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

当院向きのCOVID-19

2021年04月23日 | Weblog

 4月20日火曜日に、新型コロナウイルス感染症の72歳男性が当院の感染病棟に入院した。(前期)高齢者で、高血圧症・糖尿病があり、保健所から入院の指示となった。

 家族(娘)が新型コロナに罹患して、娘婿もかかった。4月5日に濃厚接触者としてPCR検査を受けて(地域の基幹病院)陰性だった。自宅で経過観察となっていた。

 4月15日から咳が続き、再度PCR検査を受けて、今度は陽性となった。保健所の接触者PCR検査は、陽性者が出るとすぐに接触者に行うため、潜伏期を無視した形になってしまう。

 入院したのは発症6日目だった。発症7日から10日で重症化するので、入院後に悪化する可能性があった。最近当院では重症化で高次医療機関に搬送したり、死亡例も経験している。

 感染管理ナースは「(72歳なので)重症化したら、搬送してもらいますよ」と保健所に伝えたそうだ。(重症化する患者さんが続いて、高齢で転院搬送を断られるので、怒っている。)

 症状は咳だけで、発熱はなかった。酸素飽和度も97~98%(室内気)で問題なかった。胸部CTで両側肺野、主に右肺野にすりガラス陰影が散在していた。

 白血球4200(リンパ球33.9%)・CRP4.3と炎症反応が軽度上昇している。Dダイマーは0.9と正常域でLDHも241とわずかな上昇のみだったが、血清フェリチンが1186と上昇していた。

 中等症Ⅰ相当で、うまくいけばこのまま経過観察で退院にできる。今日で9日めで、発熱・酸素飽和度の低下はない。たぶん大丈夫だろう。

 当院はこのくらいの、中等症Ⅰか中等症Ⅱでも酸素吸入2L/分程度の症例がちょうどいい。病床が逼迫している東京だったら、このくらいはホテル療養になるのだろう。

 

 

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