なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

油断した

2018年10月03日 | Weblog

 今朝転倒して顔面を打撲した2歳男児が受診していた。口唇がちょっと切れて出血したので、母親が慌てて救急要請していた。外来処置で帰宅となるくらいだった。この子の名前は「聖」と書いて、ヒジリと読む。名前負けしないのか気になるが、今時は「皇」を使った名前もあるから、親はいい名前だと思っているのだろう。

 

 先々週の金曜日の当直帯で、ひとり暮らしの92歳女性が発熱・呼吸苦で救急搬入された。当直医が急性肺炎として入院させてくれていた。BNPが500と高値だが、両側肺(右中葉・左下葉)の浸潤影が目立ったが、明らかな心不全の悪化とは言えなかった。

 内科クリニックから抗凝固薬(イグザレルト)が処方されていて、ハーフジゴキシンも出ていた(このクリニックは先代からハーフジゴキシンが好き)。心電図は洞調律だったので、発作性心房細動があるのだろうと判断して継続していた。降圧薬としてACE阻害薬・ARB・Ca拮抗薬・降圧利尿薬も出ていた。

 セフトリアキソン投与で肺炎は解熱軽快していたので、それほど気に留めていなかった(そのまま治って終わりと思っていた)。肺炎が軽快している割に、なかなか酸素吸入が中止できなかった。

 胸部X線再検で葉間胸水と両側胸水があり、胸部CTで確認できた。心電図は心房細動になっていた(心拍数90~100/分)。心エコーで見てもらうと(検査技師)、EFは78%と良好だった。有意な弁膜症もない。洞調律から心房細動になったこと自体が心機能として悪化したのだろうか(頻脈傾向ではある)。ループ利尿薬とβブロッカー少量を追加することにした。

 担当入院患者数はずいぶん減って26人になっていたので、少し病状を検討する時間ができた。いつもは30人超で瞬間的に40人を超すこともある。80歳代後半以上の患者さんたちなので、ちょっと油断すると悪化してあわててしまう。

 

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1 コメント

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心不全の (シロート)
2018-10-03 14:04:58
増悪時って意外とEFは保たれていますよね?

相変わらず凄い患者数・・・
頭が下がります。
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