木曜日の午後に74歳男性が腹痛で外来を受診した。内科外来の看護師さんが内科の若い先生に連絡した(呼びやすそうな先生を呼んだということ)。腹部CTで腸間膜脂肪織が白っぽいと、相談された。
虫垂切除術と胃切除術の既往がある。2時間前に比較的急に腹痛が生じた。部位は臍部周囲で、圧痛はあるが腹膜刺激症状はない。腹部CTで見ると、確かに腸間膜脂肪織が白っぽいが、これまで診てきた腸間膜脂肪織炎に比べると淡い。臍部の右側の小腸の壁肥厚があり、消化液の貯留がある。どちらかと言うと腸炎なのか。
白血球8300・CRP3.5と急性発症の割に、CRPがすでに上がっていた。患者さんは、その日すぐには入院できないというので、外来で点滴1本とアセトアミノフェン内服で、翌日再受診とした。
翌日は症状の悪化はなかったが、入院するつもりで来ていたので、そのまま入院とした。泥状便が数回出ていた。便培養を提出しておいてもらった。
入院後、腹痛は軽快して、食事摂取は良好だった。連休明けには退院になる見込みだ。
30年前に十二指腸潰瘍で胃切除術を受けているが、胃はほとんど残っている。木曜日は夕方から保健所の会議に行くので、ちょっと消化器科医に相談していた。十二指腸潰瘍でこの手術はないなあ、という話になった。手術は他院でしているので、なんとでも言える。
金曜日は保健所依頼のPCR検査を10件して、土曜日も10件した。火曜日に当院で健診を受けた30歳代女性が、新型コロナのPCR検査陽性と判明した。その女性が同居している妹さんが、コロナのクラスターが発生した施設で介護士をしていた。
無症状であり、当院職員は濃厚接触者には当たらない対応はしていた。病院としてマスクは外して検査を受けた、内視鏡検査のスタッフ4名のPCR検査を念のため行うことになった。土曜日に検査したが、全員陰性だった。
コロナのPCR陽性と判明した女子高校生の同級生複数と教員も陽性と判明した。感染管理ナース(ICN)の話では、来週学校全体のPCR検査を依頼されるらしい。当院と基幹病院で分けて数日かけて行うことになるのだろう。
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