なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

慢性?大動脈解離・慢性?DIC

2018年09月15日 | Weblog

 木曜日に81歳女性が四肢の脱力ということで救急搬入された(実際は認知症があってわかりにくいが、脱力ではない)。確か救急当番は整形外科医で、内科の若い先生が呼ばれて診ていた。救急の認定看護師から、こんな患者さんが来ているのでと報告が来た(難しそうな患者さんが来ているよ、ということ)。

 4年前に急性大動脈解離(上行大動脈から腸骨動脈)で大学病院の心臓血管外科に搬送されていた。手術をしたという話だったが、CTを見ても何か処置をしたように見えなかった。胸骨切開はしている。

 先々月から約1か月外科に入院して先月末に退院していたので、ちょうど手術が終わった担当医(専門は血管外科)に事情を聴くことにした。

 4年前の手術は上行大動脈だけの処置だそうだ。心嚢内に穿破して心タンポナーデにならないようにしていた。それ以外の部位に関しては放置しているので、破裂した時はそれまで、という話になっていた。大学病院への通院は2年前にやめてしまって、普段は内科クリニック(もと心臓血管外科医)に通院していた。外科医の話も、入院時にそちらに問い合わせてわかった内容だった。

 前回入院時は、下肢に斑状・点状出血をきたして、貧血が進行していた(Hb10g/dlから4g/dl)。消化管出血ではなかった。血小板も10万から4万に低下していた。Dダイマーは50~100で推移している。濃厚赤血球6単位を輸血してHb10g/dlに戻り、血小板輸血はしていないが10万に戻っていた。慢性的なDIC状態でしょうかという。

 今回も下肢に斑状・点状出血があり、貧血が進行(Hb6g/dl程度)して、血小板も4万と低下していた(出血に伴う消費のようだ)。外科処置を要する患者さんではないので(内科でお願いという雰囲気だった)、そのまま内科の若い先生が担当することになった。治療はまず前回同様に濃厚赤血球の輸血で経過をみる。

 外科の先生が改めて家族に、できる範囲で治療はするが、大動脈の破裂やDIC進行で急変する可能性があり、その際はDNRの方針となることを説明してくれた。

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« リウマチ性多発筋痛症か | トップ | くも膜下出血 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事