なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

HE4、ROMA

2018年09月24日 | Weblog

 内科の若い先生が卵巣癌・癌性腹膜炎の91歳女性を診ている。昨年は別の先生が急性腎盂腎炎の治療をしていた。今回も急性腎盂腎炎疑いで内科医院から紹介されていた。検査の結果、今回は感染症だけではなかった。

 画像では両側卵巣の腫瘍(左卵巣腫瘍が腫大して右卵巣に接触?)が描出されて、腹水もあった。腫瘍マーカーはCA125が4725と上昇していた。CA125といっしょにHE4・ROMAも提出されていたが、これは知らなかった。産婦人科の先生に訊くと、保険収載されたので院内の検査項目にさっそく入れたそうだ。

 CA125と、ヒト精巣上体蛋白4(human epididymis protein 4:HE4)を組み合わせて卵巣悪性腫瘍推定値(Risk of Ovarian Malignancy Algorithm:ROMA)が算出される。感度の高いCA125(特異度が低い)と特異度の高いHE4の特徴を生かして、卵巣悪性腫瘍の推定に有用ということだ。ROMAは閉経前と閉経後では違う値になる。

 この患者さんはCA125が4725、HE4が7634で、ROMA(閉経後)が99.9(<23.5)と上昇していた。治療は対症療法で、DNRの方針になった。婦人科では診ないので、そのまま内科で最期まで診る。 

 

 高齢者が食欲不振で受診した時、男性ではCEA・CA19-9・PSAを、女性ではCEA・CA19-9・CA125を3点セットで出している(肺癌疑いは別のセット)。悪性リンパ腫を疑うときは可溶性IL2受容体抗体も提出する(外注)。

 

 

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