81歳男性は、退職した腫瘍内科医の外来から回ってきて、当方の外来に通院してきた。汎血球減少があり、病名は再生不良性貧血とされていた。
汎血球減少症はあるが、2006年から処方された蛋白同化ステロイドのプリモボランで、ある程度安定した病状だった。
一昨年から汎血球減少の程度が進行して、一度がんセンターの血液内科で診てもらうよう勧めていた。しかし受診に同意せず、毎回どうですかと訊くということを繰り返していた。
昨年貧血に対する輸血を要するようになり、やっと受診を承諾した。骨髄検査をしないと正確にわからないと説明していたが、骨に針を刺すということが相当嫌だった。昨年7月にがんセンター血液内科を受診した。
一度外来を受診した後に骨髄検査が予定されたが、受けたくないとこちらの外来を受診してきた。ちょっと痛いが、それをしないと今後の方針も立たないと説明して、しぶしぶ検査を受けることに承諾した。
がんセンター血液内科から返事が来た。骨髄検査の結果は、再生不良性貧血というよりは骨髄異形成症候群が考えられるということだった。
治療は同じ治療の継続でいいが、断続的な輸血が必要になるので、それは当院で行ってほしい、とあった。その後輸血は、3か月に1回から、2か月に1回になり、最近は1か月に1回になってきた。
あとどのくらい頑張れるのだろうか。白血病化することはなさそうだが、MDSの血球減少自体で悪化すると見込まれる。