なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養

2019年05月14日 | Weblog

 5月12日(日)の日直の時に入院した、急性胆管炎の91歳男性は血液培養でグラム陰性桿菌が検出された(中間報告)。翌日のMRCPは認知症で動いてしまうので難しいかと思われたが、何とか撮影できた。

 胆嚢内に結石があるが、総胆管には結石はないようだ。大きな十二指腸傍乳頭憩室があり、そこに食物が詰まって胆道・膵管の流出を圧迫した可能性が考えられる。

 翌日には解熱して、そのまま治るかと思ったが、細菌検査室から、血液培養2セットでグラム陰性桿菌が検出されたと報告があった(中間報告)。胆管炎から菌血症になっていたのだった。腹痛もなく、解熱した状態が続いていて調子はいいが、抗菌薬投与は14日以上になる。

 

 5月13日早朝に救急搬入された62歳女性は、肺炎球菌肺炎で入院した。搬入時に40℃の高熱があり、入院後いったん37℃台に下がったが、夕方からまた40℃に上がった。洞性頻脈からPAC shot runが頻発して、さらにはPSVT様になって洞性頻脈になるのを繰り返した。

 細菌検査室から連絡があり、血液培養2セットからグラム陰性桿菌が検出されたと報告があった。尿は濃縮しているだけではなく、混濁もしていたのだった。尿一般の白血球反応が陽性だったが、当直の外科医が尿沈渣は出していなかった。肺炎の診断がついたので、こちらも尿路感染併発は考えず、尿沈渣を追加しなかった。

 胆道感染症はないと判断されるので、高熱は肺炎よりむしろ尿路感染症(急性腎盂腎炎)の影響なのだろう。搬入時から開始したセフトリアキソンに加えて夕方にレボフロキサシン点滴静注も追加した。

 その時は肺炎球菌に対して2剤併用のつもりだったが、あとで大腸菌ESBLが心配になった。今日解熱してなかったら、セフトリアキソンをメロペネムに変更するるつもりだったが、今日は解熱して患者さんの表情も良くなっていた。

 喀痰培養は出せなかったので感受性はわからないが、尿培養の結果をみて、セフトリアキソンに感受性があれば、抗菌薬はそれだけにしよう(当院はセフトリアキソンの肺炎球菌感受性100%)。

 

 当院は2次救急までの300床の病院だが、細菌検査室をもつ病院としては最小規模だろう。以前に呼吸器科医がいたころに立ち上げているが、現在は感染症のわかる専門医はいないので、年配医師が回り持ちで(感染管理室を)担当して現在に至っている。

 

 今日は地域の基幹病院緩和ケア科から、膵頭部癌述語再発の67歳女性が転院してきた。お看取りまでの緩和ケア継続になるようだ。夫と二人暮らし(お子さんはいない)だが、夫は一時的な退院は希望せず、最期まで病院に置いてほしいと言う。緩和ケア科の先生も昨年くらいから時々当院に紹介してくる。オピオイドはェントステープ5mgだった。

 

 

 

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