なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肝膿瘍?

2018年04月23日 | Weblog

 昨日の日曜日に68歳女性が救急搬入された。発熱と上腹部痛で内科医院を受診して、アデノウイルスと診断されたそうだ。たまたま検査したら陽性に出ただけだと思うが。外科の先生が対応して、血液培養2セットと尿培養を提出していたが、発熱の原因は不明とされていた。

 今朝内科の先生に診療依頼があったらしい。CT画像を見ていると、隣にいたその先生に、S1がおかしいですよね、と言われた。単純CTだが、S1に嚢胞様に陰影があり、胆嚢壁も肥厚しているように見えた。入院時には39℃の発熱があり、炎症反応は白血球数7700・CRP11.5だった。肝機能は正常域で、そこは合わない。

 造影してCTを再検するという。胆嚢の評価に腹部エコーもしましょうか、と言った。腹部エコーで胆嚢内に結石はないが、壁肥厚がある。S1の病変はエコーではよくわからない、造影CTでは、肝臓のS1に多房性の腫瘤があり、放射線科の読影レポートは嚢胞性腫瘍か肝膿瘍かとあった。発熱があり、臨床的には肝膿瘍と判断される。部位的に穿刺はできないので、抗菌薬で治療するしかない。入院後はゾシンが開始されて、今日は解熱していた。何とかなりそうだ。直接つながってはいないが、胆嚢炎からの波及なのだろうか。

 学会出張の時に、東野圭吾さんの「加賀恭一郎シリーズ 新参者」を読み返していた。改めてうまく作るものだと思った。テレビドラマも良かった。原作本を読んでいるだけで、主演の阿部寛さんの顔が浮かんでくる。

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1 コメント

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隣にいたその先生 (シロート)
2018-04-24 11:56:01
鋭いですね。
エコーは診なおしてトレーニングを。
S1は左側臥位の方が前方の肝円索等がずれて
診やすいです。
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