なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腹水貯留

2022年10月03日 | Weblog

 先々週の水曜日に、泌尿器科医(非常勤)から連絡が来た。精神科病院に入院している91歳男性が尿閉として紹介されたが、腹部CTで腹水を認めるという。

 尿閉ということだったが、実際は乏尿で、先方の病院で尿カテーテルを挿入しようとしたが、挿入できなかった。(前立腺部でひっかかって看護師さんが挿入できなかったので、交代して細目のカテーテルを挿入した)

 HCV抗体陽性で、C型肝硬変のようだ。左胸水は認めるが、末梢の浮腫は目立たなかった。血清クレアチニンが3mg/dl台と上昇していた。

 腫瘍マーカーは正常域だが、腹部悪性腫瘍の可能性は残る。処置をしようと触ると、大声で上げて、まだ?活気はあるのだっった。

 家族には、点滴と利尿薬で経過をみるが、治療に反応しない可能性もあります、と伝えた。6月からレビー小体型認知症で精神科病院に入院していた。家族としては、病状悪化時はそのまま精神科病院で看取ってもらっていいと思っていたそうだ。腹水貯留で精神科単科病院には戻せないので、当院で入院治療とした。

 発熱はなく、炎症反応はCRP2~3で推移した。点滴しても、尿量は増えず、血清クレアチニンは3mg/dl台で変わらなかった。腎疾患疑いでANCAなども提出したが陰性だった。

 病状は変わらず、しだいに騒ぎ方もおとなしくなっていった。このままだと単に預かっただけで、成果がないまま終わりそうだ。

 

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