なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

セフトリアキソンで解熱

2022年06月22日 | Weblog

 火曜日に、内科医院から尿路感染症疑いの85歳女性が紹介されてきた。急性腎盂腎炎としても、発熱外来扱いになる。家族といっしょに乗ってきた車まで行って、新型コロナの抗原定性検査を提出した。

 コロナ陰性を確認して、内科新患担当の内科の若い先生に回した。入院は3名のみ診ているので、担当患者さんを増やしてもらうことにした。

 

 午後になって確認すると、内科で入院になっていた。血液検査は白血球10600・CRP11.8と炎症反応が上昇していた。肺炎像はなかった。

 尿検査では沈査で赤血球>100/HPF・白血球1-4/HPF・細菌(+)と、想定した結果ではなかった。内科の若い先生は、尿路感染症の所見として合わないとしていた。

 尿路感染症として、尿培養(導尿)と血液培養2セットが提出された。肉眼的血尿があるので、尿路系悪性腫瘍疑いで翌日に腹部造影CTが予定された(入院時は単純CTのみで、腎嚢胞以外有意な異常はない)。

 さらに発熱、尿潜血・尿蛋白陽性と炎症反応上昇を来す疾患として、顕微鏡的多発血管炎などの発症を疑って、ANCAも提出していた。対応としては完璧だった。

 入院後、セフトリアキソンで治療を開始して、あっさり解熱軽快していた。結果的には、単に尿路感染症(急性腎盂腎炎)ということになるのかもしれない。

 

 市内の知的障害者施設でCOVID-19のクラスターが発生して、保健所依頼のPCR検査を毎日多数行っている。その施設だけで、50名以上になるそうだ。(罹患していない入所者が3名のみ)

 職員が罹患して休んでいるために、他の施設から職員が応援に入っている(さまざまな施設を複数運営している)。すると、応援に来た職員の本来の施設にも広がってしまい、複数の施設で感染者が出るようになった。

 感染者全員は入院させられないので、保健所の指導を受けて、無症状や軽症者は施設内でみているそうだ。また罹患した障害者を診る施設が遠方になるがあるそうで、そこに入所する前の外来アセスメント(胸部CTと血液検査)を依頼されている。

 

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