なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

筋肉内出血

2023年09月16日 | 筋肉内出血

 回復期リハビリ病棟に入院している脳梗塞の89歳男性は、9月11日に麻痺側の右下肢(大腿部)が腫脹していた。週末からあったのかもしれないが、痛みと腫脹の訴えはその日だった。

 6月19日に地域の基幹病院脳神経内科から転院してきた。左放線冠の脳梗塞で場所が悪く、右半身は完全麻痺だった。歩行はできないので、介助で車椅子に移乗するくらいだった。在宅生活は難しく、施設待ちの入院となった。

 

 麻痺側の上下肢の浮腫はある程度はあるが、極端に左右差がある。右大腿部は色調から見ても浮腫状だった。浮腫にしては圧痛が強かった。

 CTで確認すると、皮下の浮腫ではなかった。大腿部外側に筋肉内に出血があるようだ。

 血液検査でも転院時のHb11.0g/dlが8.4g/dlと貧血が進んでいた。先方の病院では奇異性脳梗塞の診断でDOAC(リクシアナ30mg/日)が開始されていた。当院転院後も継続していた。

 いったん休薬して経過をみるしかない。DOACが影響したとして、リハビリ時の動きが外傷となったのだろうか。

 

 放射線科の読影レポートでは大腿部の筋肉についてはまったく言及がなかった。撮影した放射線科の技師さんはすぐに、先生大腿部の筋肉がおかしい、と指摘してくれたが。

 

 数か月前にも90歳代男性が右大腿部に筋肉内出血を来した。心房細動があったが、皮下出血が目立つことと、内服が困難ことからDOACは休薬となっていた。貧血も進行したが、輸血するほどではないので経過をみて、しだいに吸収されたのだった。(結局誤嚥性肺炎を繰り返して亡くなった。)

 

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