4月3日(木)の午前中に市内の診療所から紹介された、30歳代後半の女性が救急搬入された。救急室で診ていると、もう1台救急車が搬入されるという。それは当院への搬入ではなく、病棟から専門病院への転院搬送だった。
患者さんは3月27日に健診で指摘された高脂血症の相談に受診していた。その時は特に症状はなかった。
翌日の3月28日に心窩部痛と嘔気・嘔吐を訴えて、また内科外来を受診した。腹部CTで十二指腸下行脚の全周性壁肥厚を認めていた。
食事がとれないので、入院して点滴をすることになった。入院後も嘔気・嘔吐が続いていた。4月2日に上部消化管内視鏡検査(非常勤医担当)が行われた。十二指腸球部までは挿入できた。下行脚は全周性の壁肥厚で内腔がわずかに空いているが、挿入できなかった。細径スコープに切り替えたが、それでも挿入できない。
外来で診た先生がそのまま入院担当となっていた。このまま点滴で経過をみても良くなる当てがないことから、消化器病センターのある専門病院に連絡して搬送としたのだった。
腹部CTを見ると、十二指腸下行脚だけが均一に腫脹している。放射線科の読影レポートでは、「腫瘍よりは炎症を考える」となっていた。「アニサキスの可能性?」と付記していた。
Vater乳頭も腫脹していて、総胆管と主膵管が軽度が拡張している。乳頭部癌ではないようだ。紹介された病院ではどうするのだろうか。経鼻胃管の胃液吸引と点滴で経過をみて改善する?。
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