なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

新型コロナ後遺症

2021年12月05日 | Weblog

 厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症 診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 暫定版」が公開された。

 後遺症ではなく、罹患後症状という表記になっている。罹患後症状とは、「COVID-19罹患後、感染性は消失したにもかかわらず、他に明らかな原因がなく、急性期から持続する症状や、あるいは経過の途中から新たに、また再び生じて持続する症状全般をいう」。

 「罹患後症状が永続するかは不明である」とわかっていないので仕方がないことではあるが、何とも心もとない記載になっている。

 内容は症状が並べてあって、具体的な治療法はなく、それぞれ専門科に紹介とあるだけだった。暫定版とあるので、今後の知見で追加していくということにして、雛型を作成して置いたということらしい。

 

 症状の推移に関しては、忽那先生のYahoo Newsの図解がわかりやすい。

急性期の症状は半年後までにはほとんどの人で消失する

発症からの日数と急性期症状が続いている頻度(https://doi.org/10.1101/2021.09.22.21263998を元に筆者作成)
発症からの日数と急性期症状が続いている頻度(https://doi.org/10.1101/2021.09.22.21263998を元に筆者作成)

 

記憶力低下・集中力低下は長期間持続しやすい

発症からの日数と後から出現する症状が続いている頻度(https://doi.org/10.1101/2021.09.22.21263998を元に筆者作成)
発症からの日数と後から出現する症状が続いている頻度(https://doi.org/10.1101/2021.09.22.21263998を元に筆者作成)

 

新型コロナ後遺症の頻度は?

診断後から退院時まで、3ヶ月後、6ヶ月後にみられた症状の頻度(厚生労働科学研究. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究(福永班)より)
診断後から退院時まで、3ヶ月後、6ヶ月後にみられた症状の頻度(厚生労働科学研究. 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究(福永班)より)
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