なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胃前庭部腫脹

2021年12月14日 | Weblog

 土曜日の夜間に心窩部痛の73歳女性が入院していた。夜間の遅い時間の入院は翌朝に連絡をもらうことにしている。

 土曜日の午後に心窩部痛で受診していた。夜間になって再受診したので、精査として腹部造影CTを行っている。肝胆道系・膵臓には異常がなかった。胃前庭部が全周性に浮腫状に腫脹していた。日当直の外科医(大学病院からバイト)は点滴とオメプラール注で治療していた。

 日曜日の日直は消化器科医だったので、土曜日のその話をしたところ、消化器科で診てくれることになった。治療はオメプラール注を継続していた。

 日曜日の昼には症状が軽快していた。月曜日に上部消化管内視鏡検査が行われたが、胃前庭部にはわずかな発赤とごく軽度に限局性浮腫があるだけだった。CTの印象とはだいぶ違う。

 消化器科医は急性胃粘膜病変(AGML)を想定していたが、もう少し病変が残っているもんだろうという。またアニサキスも考えていたらしいが、もう判断はつかない。

 内科クリニックから多分逆流性食道炎としてPPIが処方されていた(オメプラゾール20mg)。PPI内服している人がNSAIDsなどこれといった原因もなく、AGMLを来すかというとちょっと考えにくい。

 消化器科医はオメプラール注を中止して、タケキャブ(P-CAB)を処方していた。すっかり症状が消失しているので、食事を開始した。何らかのアレルギーの機序だったかもしれない、ということになった。

 当院は現在時間外の緊急内視鏡はできないので、吐血の場合は地域の基幹病院などの消化器内科に搬送している。

 

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