なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

脳出血で外来経過観察

2021年12月17日 | Weblog

 水曜日の当直の時に、発熱の86歳女性が救急搬入された。救急隊は、地域の基幹病院に連絡したが、心肺停止の搬入があって受けられないといわれたと言っていた。

 バイタルサインは発熱以外に問題がないので、肺炎よりは尿路感染症(急性腎盂腎炎)かなと検討をつけた。当院で対応できるので引き受けた。

 救急隊がまず基幹病院に搬入依頼をしたのは事情があった。1日前の月曜日に先方の病院の脳外科を受診して、脳出血と診断されていたのだった。

 若干右麻痺があり、内科医院から紹介されて受診していた。手術適応はないので、外来で経過観察をすることになったそうだ。次回に外来予約が次週に入っていた。 

 確かにごく軽度の脳出血だと手術適応はない。当院での神経内科でそのまま入院とすることもある(基幹病院でも脳外科ではなく脳神経内科で扱うこともある)。しかし急性期は普通入院だろう。発症4~5日目ごろに脳浮腫が進行して症状も悪化するので、1週間経過をみないと症状が変化がわからない。

 確かにベット事情が厳しい病院だが、これは入院で診た方がいいと思う。経過観察だけならば、当院に紹介してもらうのもある。頭部CTで確認すると、左被殻出血で脳浮腫を伴っていた。

 

 昼に味噌汁でむせったという話があり、誤嚥性肺炎が疑われた。最初CTで肺炎はなさそうだと思われた。尿路感染症だろうと思って尿検査をしたが、尿路感染症らしさはまったくなかった(採取した時に、肉眼的にまったくきれいで当てが外れた)。

 改めて胸部CTを確認すると、右中葉に淡い陰影が限局性にあるようだ。発熱の原因は肺炎だった(たぶん)。検査では白血球増加・CRP正常域で、感染症初期像を呈していた。脳出血・誤嚥性性肺炎として当院入院とした。

 

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