なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

関西で感染してきた

2021年12月29日 | Weblog

 先週の金曜日の昼過ぎに、施設から95歳女性が救急搬入された。昼食時にむせった後に、呼吸停止して、胸を叩いたところまた呼吸が再開したという話だった。

 施設にはその日ショートステイで入所したばかりだった。その施設を運営している病院に通院している。当初心肺停止という話で病院に連絡して、受け入れ可能と言われた。その後、呼吸再開と伝えたところ他の病院に行くようにとなったそうだ。

 つまり搬入後に死亡確認するならいいが、入院になるのは困るという意味だった。それには事情があった。

 当院に搬入されて、到底採血はできなさそうな末梢静脈で動脈から採血した。看護師さんが3度目の穿刺で点滴を入れた。痩せた小柄な老女で、皮膚も血管も薄い。

 胸部CTで明らかな肺炎像はまだなかったが、早晩誤嚥性肺炎像が出ると予想された。胃が拡張して(ガスと食残)腸にもガスが目立った。

 絶食にして、点滴と誤嚥性肺炎としての抗菌薬投与で経過をみることにした。

 

 先方の病院で入院受け入れを断ったのには事情があった。その週の初めに、男性職員が新型コロナに感染していることが判明していた。

 その前の週末に結婚式で関西(神戸らしい)に行っていた。帰ってきて、1日だけ病院で勤務したが、その後発熱があり病院で行った新型コロナ抗原定性検査で陽性と出た。病院では新型コロナ患者として届け出た。

 保健所から当院に新型コロナのPCR検査が依頼されたが、それは診断確定の意味もあるが、オミクロン株がどうか検査するためだという。(PCR検査は陽性。オミクロン株ではなかった。)

 病院で接触した職員・患者さん40名ほどをPCR検査したらしいが、幸い全員陰性だった。患者さんの奥さんも濃厚接触者として2回PCR検査を当院に依頼されたが(無症状の時と37℃の微熱が出た時)、いずれも陰性だった。

 患者さん本人は、いったんホテル療養となったが、体調不良で地域の基幹病院に入院したそうだ。療養先決定前の評価(胸部CT、血液検査)をしなかったのだろう。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする