なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

血液培養を出してください

2021年12月09日 | Weblog

 血液透析を受けている患者さんが発熱で受診した。月曜日に担当の先生から、新型コロナ(抗原定性)とインフルエンザの検査は陰性だったが、どうしようかと相談されていた。

 細菌感染でしょうから、画像はCTで確認して、血液検査(と採取できれば尿検査)で判断しましょう、お伝えした。水曜日に確認すると、火曜日に入院していた。(火・木・土に透析の方で、土曜に発熱の話で迅速検査をして、火曜の透析日に検査後入院した)

 胸腹部CTで両側肺に胸水貯留とそれに接する肺に無気肺様の像がある。そこの部分に肺炎があるかどうかは確定できない。尿が出る方で、尿沈渣では白血球>100/HPF・細菌(3+)だった。CTで両側腎臓は萎縮というか菲薄化している。

 

 尿路感染症(急性腎盂腎炎)の方が考えられるのかもしれない。抗菌薬が開始されていたが、培養検査が提出されていなかった。培養を取ってください、あるいは培養を(当方が)取りましょうかというのを忘れていた。

 透析患者さんだと、血流感染の可能性があるので、血液培養2セットを取っておきたかった(採取できれば尿培養も)。シャントのある上肢は使えないので、対側の上肢からの採血(主には肘部の正中と前腕の静脈)になる。

 静脈からの採取ができなければ、患者さんからは嫌がられるが、動脈から2セット採取も最近出している。翼状針を使用すると、動脈からでも20mlの採取が安定してできる。

 血液培養の採取数が極端に少なくなって、抗菌薬適正使用チームとしては検討例がなくて困っている。発熱(細菌感染疑いの)とみれば、こちらから取りにいかないとだめなようだ。

 

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