なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

B群溶連菌

2021年12月23日 | Weblog

 昨日の続き。先週の金曜日に発熱の89歳男性が受診した。発熱外来担当の外科医が、尿路感染症として内科の若い先生に入院治療を依頼していた。

 市内のクリニックに糖尿病と前立腺肥大症で通院している。HbA1cは8.9%だった。尿路感染を起こしてもおかしくない基礎疾患があった。

 肺炎はなく、尿混濁(膿尿)を認めた。横紋筋由来の筋原性酵素上昇も伴っている。尿培養・血液培養2セット提出後に、抗菌薬はゾシン(PIPC/TAZ)で開始されたが、週末に発熱が続いて、バンコマイシン(VCM)も併用となっていた。(腸球菌を考慮?)

 週明けになって全体的に改善してきていた。血液培養2セットからB群溶連菌(Streptococcus agalactiae)が検出された。

 尿路感染症の起炎菌としては、通常グラム陽性球菌では腸球菌が原因になる。溶連菌は通常検出されないが、高齢者の肺炎・尿路感染症の原因菌となるとされている。糖尿病があるとさらに検出される可能性が高くなる。

 血液培養結果から、ビクシリン(ABPC)に変更することになった。ただ、尿培養はまだ結果が出ない。菌血症の原因としては確定したが、尿培養で複数の菌が検出される可能性がある。

 前立腺肥大があることから、前立腺炎の確認のため、血清PSA値も診てもらった方がいいようだ。

 

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