横浜のほほん

横浜のはずれで、のほほんと暮らす男の見聞、考察、感想をつれづれに記す

古事記、万葉集から

2006-07-19 09:54:29 | 近所

市民の森に隣接した空き地で蔓を這わせている植物。
フェンスなどに絡んでいるのを見ることが多いガガイモだ。


ガガイモ(ガガイモ科)
日本在来の植物で、古事記にもカカミ(カガミ)として記述されていると言う。
少彦名命(すくなひこなのみこと)は、ガガイモの舟に乗り、ミソサザイの皮を着て
海上から出雲の国にやって来た。
穀物の種を持ってきて、大国主命の国づくりにも協力したとされている。


昨年9月のガガイモの実
大きなオクラのようなガガイモの実を、縦に二つに割ると舟の形になる。


フェンスに絡んでいるヘクソカズラも
匂いとともに万葉の時代からお馴染みだったようだ。


ヘクソカズラ(アカネ科)サオトメバナ、ヤイトバナ
さうけふに延(は)ひおほとれるくそかづら 絶ゆることなく宮仕(みやづかへ)せむ   
高宮王
  さうけふ=サイカチまたはカワラフジ(ジャケツイバラ)

万葉集に詠まれた植物は数多い。
今の季節ではアジサイ、キキョウ、オミナエシなどあるが、
もっと小さな草花の歌を取り出してみよう。


ツユクサ(ツユクサ科)
 朝(あした)咲き夕は消(け)ぬる月草(つきくさ)の 消ぬべき恋も我(あれ)はするかも    
作者不詳


ジャノヒゲ(ユリ科)
 妹待つと三笠の山のやますげの 止(や)まずや恋ひむ命死なずは
    作者不詳
 ぬばたまの黒髪山のやますげに 小雨降りしきしくしく思ほゆ  
    柿本人麻呂

やますげ(山菅)はジャノヒゲとヤブランの両方を指すらしい。
我が家のジャノヒゲ、蕾のまま咲かずに終った姿なのか。