市民の森に隣接した空き地で蔓を這わせている植物。
フェンスなどに絡んでいるのを見ることが多いガガイモだ。
ガガイモ(ガガイモ科)
日本在来の植物で、古事記にもカカミ(カガミ)として記述されていると言う。
少彦名命(すくなひこなのみこと)は、ガガイモの舟に乗り、ミソサザイの皮を着て
海上から出雲の国にやって来た。
穀物の種を持ってきて、大国主命の国づくりにも協力したとされている。
昨年9月のガガイモの実
大きなオクラのようなガガイモの実を、縦に二つに割ると舟の形になる。
フェンスに絡んでいるヘクソカズラも
匂いとともに万葉の時代からお馴染みだったようだ。
ヘクソカズラ(アカネ科)サオトメバナ、ヤイトバナ
さうけふに延(は)ひおほとれるくそかづら 絶ゆることなく宮仕(みやづかへ)せむ
高宮王
さうけふ=サイカチまたはカワラフジ(ジャケツイバラ)
万葉集に詠まれた植物は数多い。
今の季節ではアジサイ、キキョウ、オミナエシなどあるが、
もっと小さな草花の歌を取り出してみよう。
ツユクサ(ツユクサ科)
朝(あした)咲き夕は消(け)ぬる月草(つきくさ)の 消ぬべき恋も我(あれ)はするかも
作者不詳
ジャノヒゲ(ユリ科)
妹待つと三笠の山のやますげの 止(や)まずや恋ひむ命死なずは
作者不詳
ぬばたまの黒髪山のやますげに 小雨降りしきしくしく思ほゆ
柿本人麻呂
やますげ(山菅)はジャノヒゲとヤブランの両方を指すらしい。
我が家のジャノヒゲ、蕾のまま咲かずに終った姿なのか。