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サーベラス社に続々と上がる反発の声

2013-04-05 22:08:48 | ウェブ日記
※「西武ホールディングスと筆頭株主が全面対決」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「サーベラス、地獄の番犬 ~ハゲタカ外資が本性を現す時~」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「西武HDがサーベラス社のTOBに正式に反対を表明」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。
※「西武HDとサーベラス社の対決の行方」の記事をご覧になる方はこちらをどうぞ。

現在、西武鉄道やプリンスホテル、プロ野球の埼玉西武ライオンズなどを保有する西武ホールディングスに対し、「敵対的TOB」を仕掛けているアメリカの投資会社、サーベラス。
敵対的TOBとは相手が反対しているのに株の買い増しを強行する「敵対的な株式公開買い付け」のことで、企業の乗っ取りや経営への影響力増大を目的としたものです。
サーベラス社の場合はもともと西武ホールディングスの筆頭株主で株式全体の32.4%を保有しているのですが、同社はこれをさらに買い増し、株主総会での影響力が一気に強まる「株式保有率3分の1超え」を狙っています。
株式全体の3分の1以上を持つ株主は株主総会での特別決議を否決できるようになります。
またこの「敵対的TOB」自体は成立が確実な情勢のため、最大の焦点はサーベラス社が影響力を増した状態で迎える6月の株主総会となります。
なぜサーベラス社が西武ホールディングスの筆頭株主なのか、またなぜこのような行為に及んだのかは今までの記事に書いてきたとおりです。
「サーベラス、地獄の番犬 ~ハゲタカ外資が本性を現す時~」の記事が一番詳しく書いたかと思います。

ハゲタカ外資・サーベラス社が要求してきた中で一番波紋を呼んだのが西武鉄道の赤字路線(西武秩父線、西武山口線、西武多摩川線など)の廃止でした。
これには西武HDも猛反発していて、公共性の高い社会インフラである鉄道路線を一気にいくつも廃止にすることによる人々の生活の混乱、地域経済への影響などを考えれば当然です。
そして私は冒頭リンクの記事で「関係する地方自治体(東京都と埼玉県)の方々がどんどん声を上げていくべき」と書いてきましたが、どうやらその動きが活発になってきたようです。

まずは西武鉄道の赤字路線の廃止や西武ライオンズの球団売却の要求に対して埼玉県の所沢市長が激怒。
所沢市は西武ライオンズの本拠地でもありますし、いきなりの無茶な要求には市長も怒り心頭かと思います。
次いで東京都の東村山市、小平市、国分寺市、東大和市の四市長が共同で記者会見を開き、サーベラス社の要求する「西武鉄道の赤字路線の廃止」に抗議声明を出しました。
いずれの市長も人々の生活の混乱、地域経済への影響を深刻に受け止めて動いたのだと思います。
4月3日には東京都の東村山市、小平市、国分寺市、東大和市、武蔵野市、府中市、小金井市の七市長が西武鉄道路線の存続を求める要望書を西武側に提出しました。
東村山市、小平市、国分寺市、東大和市は「西武国分寺線、西武多摩湖線、西武山口線」の存続を求めていて、武蔵野市、府中市、小金井市は西武多摩川線の存続を求めているとのことです。
そして昨日、4月4日は埼玉県の所沢市、飯能市、狭山市、入間市の四市長が西武秩父線などの不採算路線や西武ライオンズを維持、存続するよう西武側に要望書を提出しました。
さらに昨日は埼玉県秩父市の市議会が西武鉄道と西武ホールディングスに対し西武秩父線の存続を要請する決議を全会一致で可決したとのこと。
同市は周辺の横瀬町、皆野町、長瀞町、小鹿野町らと共に10日に西武側に西武秩父線の存続を求める要望書を提出するようです。

以上のように、サーベラス社の無茶な要求に対し続々と上がる反発の声。
ここ数日でかなりの広がりを見せてきました。
数えてみると合計16の自治体から抗議の声が上がっているようです。
関係する地方自治体がどんどん声を上げてサーベラスにプレッシャーをかけたほうが良いので、これは良い傾向です。
サーベラスのような強欲ハゲタカヘッジファンドには「げっ、こんなに周り中敵だらけなのか…」と思わせることが重要で、あっちもこっちも敵だらけとなれば多少は及び腰になる可能性が出てきます。
ただし、「鉄道路線の廃止や球団の売却は求めない」などと一連の問題を否定しているのとは裏腹に、「敵対的TOB」を着々と進めているのは紛れもない事実。
最新のニュースでは当初4%ほど買い増して36.4%にするとしていた株の買い増し目標を大幅に増やし、株式全体の過半数に迫る45%近くまで引き上げると言ってきました。
社名のサーベラス(ギリシャ神話の”地獄の番犬ケルベロス”の英語読み)が示すとおり、地獄の番犬が完全に本性剥き出しで襲い掛かってきています
ハゲタカはあくまでハゲタカで、「株式保有率3分の1超え」を達成し、それどころかさらに株を買い増して西武HDに揺さぶりをかける方針に全く変わりはないようです。
当初、6月の株主総会で元金融庁長官の五味広文氏ら3人を西武HDの社長や取締役に選任しようとしていたのも「8人に増やす」などと言っていますし、本性を現したハゲタカ外資は本当に始末に負えないです
何しろ「保有している1000億円超の西武HD株を出来るだけ高値で売り飛ばして儲けたい」というのが一連の行為の動機ですしね。。。
こんなハゲタカに8人も取締役を送り込まれたら本当に大変なことになってしまうと思います。
またここまで本性剥き出しで襲い掛かってきた以上、もはや6月に開催される株主総会に向けて、西武ホールディングスとサーベラス社との間でプロキシーファイト(株主総会での委任状争奪戦)が勃発するのは避けられそうにないですね。

注目は、猪瀬直樹東京都知事もこの件に懸念を示していること。
東京都で七つもの市が動いているので都のトップとして言及したようですね。
直接ではなかったですが鉄道の公共性の観点から暗にサーベラスのやり方を批判していました。
埼玉県の上田清司知事も動いているようですし、これらは有り難い助太刀ではないかと思います。

ただしハゲタカ外資・サーベラス社が金儲けの欲望の一点のみで動いている以上、大人しく引き下がるということはまずあり得ないです。
なので引き続き関係する地方自治体の方々がどんどん抗議の声を上げて、西武HDを援護したほうが良いと思います。
そうすれば西武HDもサーベラス社に「あなたの行いに対しこんなに多くの抗議がありますよ」と言えますし、それを世間に対してアピール出来ます。
「ハゲタカ包囲網」を形成して、多くの自治体からサーベラス社に「No!」の声をどんどん突き付けていったほうが良いと思います。
そうでないとこの外道ハゲタカ外資に利益をむさぼり尽くされ、西武ホールディングスがズタボロにされてしまいます。

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