読書日和

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「ブラフマンの埋葬」小川洋子

2007-05-05 18:42:41 | 小説
先日、実家に帰るときに電車の中で読んだのが、「ブラフマンの埋葬」(著:小川洋子)です。
泉鏡花賞受賞作とあったので興味を持って買いました。
ブラフマンというのは、主人公が飼うことになった犬の名前です。
この小説では、ブラフマン以外には、はっきりと名前のわかる登場人物がいません。
主人公の名前も最後まで明かされることはなく、その他の登場人物も、「雑貨屋の娘」や「碑文彫刻師」や「レース編み作家」といった感じで、名前がわかりません。
ブラフマンが話の中心だというのを強調しているのかも知れません。

文章は、ちょっと読みずらいと感じました
最近はテンポの良い小説を読んでいたので、この小説のゆったりとした雰囲気に戸惑ったのかも。。。
ブラフマンは当初、全く躾けがされていない状態だったので、主人公は苦労してました。
部屋のあちこちを噛むというのがあったのですが、犬を飼ったことのある人はそういう経験があるのでしょうか?
あと、箪笥の中身を引っ張り出したりとか。
犬にとっては無邪気な遊びでも、飼い主にとっては「ギャー」な感じだと思います(笑)

「ブラフマンの埋葬」という題名なので、ブラフマンの死を予感すると思います。
そのとおり、ブラフマンはクライマックスで死んでしまうのです…。
死に方が、やりきれないものでした。
病死ならともかく、主人公に駆け寄ってきたときに死んでしまうのが悲しかったです。

犬の小説なんて面白いのかなと思って読み始めたのですが、内容は深いものでした。
死で終わるのにそれほど重い雰囲気でなかったのは、最後が主人公の日記で終わるからかも知れません。
埋葬する場面で終わったりしたらかなり重い雰囲気になっていたと思います。
しかし日記で終わることによって、主人公がブラフマンの死を受け入れているのだと感じました。

※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あかねさんへ (読書日和)
2007-05-07 21:57:00
ブラフマン、なかなか奥が深いですよ。

ボリューム的には読みやすい長さなので、電車で移動中に読みました。

風味絶佳は山田詠美さんですね!

感想楽しみにしてます♪

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そうなんです。 (あかね)
2007-05-06 20:56:23
「博士の愛した数式」は週間ブックレビューというBSのTVで紹介されていて(かなり昔)
その時強く印象に残っていて、図書館でめぐりあい(笑)読んだのですが、とても素敵でした。その後映画化だったので、やっぱりたくさんの人が惹かれる物語なんだなーって実感していました。

「ブラフマン~」は実は、一度図書館で借りたのですが時間が無くて読めなかった(涙)
今「風味絶佳」を読んでいるので♪今度図書館で巡り合えたら読みたいなぁーブラフマン!その他の小川洋子先生の作品も読んでみたいです
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あかねさんへ (読書日和)
2007-05-06 12:41:43
博士の愛した数式が有名ですね。

たしか映画化されたんですよね!

私は小川さんの小説はブラフマンの埋葬しか読んだことないです(笑)

次は博士の愛した数式を読んでみようと思います。
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ブラフマン (あかね)
2007-05-05 22:49:05
小川洋子サンの小説“博士の数式”を読んだ後
この本を読もうと思いつつ読んでませんでした~
読んでみようかな。。。
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