今回ご紹介するのは、「むかしのはなし」(著:三浦しをん)です。
‐‐‐‐‐内容‐‐‐‐‐
三ヶ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡し、抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗れると決まったとき、人はヤケになって暴行や殺人に走るだろうか。
それともモモちゃんのように「死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか」と諦観できるだろうか。
今「昔話」が生まれるとしたら、をテーマに直木賞作家が描く衝撃の本格小説集!!
‐‐‐‐‐感想‐‐‐‐‐
この小説は七つの短編・中編で構成されていて、それぞれ日本の昔話と少しだけ似た展開になっています。
各物語の冒頭には昔話の概説が登場します。
それらは以下の七つです。
かぐや姫
花咲か爺
天女の羽衣
浦島太郎
鉢かづき
猿婿入り
桃太郎
これらの昔話を少しだけモデルにした物語が以下の七つです。
ラブレス
ロケットの思い出
ディスタンス
入江は緑
たどりつくまで
花
懐かしき川べりの町の物語せよ
それぞれの物語と昔話が関連しているのはほんの一部分なので、物語によってはどこが関連しているのかわかるまでに時間がかかるものもありました。
でも、各物語の内容そのものが充実しているので、昔話との関連性についてはあまり気になりませんでした。
それぞれの主人公たちはみな「あなた」や「先生」や「日記帳」など、誰かや何かに対して話しかけるという形式になっています。
今まで読んだことのない形式だったので新鮮でした
この小説がなぜ「むかしのはなし」なのかは、各物語を読んでいくうちに明らかになってきます。
巨大隕石の衝突が三ヶ月後に迫っているというのが、この短編集の重要なテーマです。
政府から国民に向けてその発表があってから、人々は混乱します。
宇宙への脱出用ロケットに乗れるのは1000万人だけで、抽選で選ばれた人だけが乗ることができます。
でも抽選というのは建前だけで、実際には政治家や科学者など、乗れる人は最初から決まっています。
そんな状況下で物語の主人公たちは、隕石が衝突する前に体験したことをむかしのはなしとして、録音ディスクに記憶させます。
それを「人類の記録」として、宇宙空間に放つのです。
どこか遠い星にそのディスクが流れ着いて、その星に生命体がいれば、「かつて地球という星で巨大隕石の衝突があって、人類が絶滅した」というのがわかるかもしれませんね。
ただそれは、その星の人たちにとっては関係のないことなんですよね。
それでもなお、地球という星に人類がいたという事実を知ってもらいたいのかもしれません。
また、普通の短編小説では、各短編は関わりがないことが多いのですが、「むかしのはなし」の場合は、滅亡寸前の地球という共通テーマがあります。
地球に隕石が衝突したかどうかは、最後まで描かれませんでした。
ただ、すでに地球から脱出して、ロケットの中から物語を語る主人公もいたので、きっと隕石は衝突してしまうのだと思います。
今回も三浦しをん先生のすごさを感じました。
本当に色々なタイプの小説を書ける人だなと思います
次の三浦しをん先生の作品は何を読むか、さっそく考え中です。
それではまた
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
‐‐‐‐‐内容‐‐‐‐‐
三ヶ月後に隕石がぶつかって地球が滅亡し、抽選で選ばれた人だけが脱出ロケットに乗れると決まったとき、人はヤケになって暴行や殺人に走るだろうか。
それともモモちゃんのように「死ぬことは、生まれたときから決まってたじゃないか」と諦観できるだろうか。
今「昔話」が生まれるとしたら、をテーマに直木賞作家が描く衝撃の本格小説集!!
‐‐‐‐‐感想‐‐‐‐‐
この小説は七つの短編・中編で構成されていて、それぞれ日本の昔話と少しだけ似た展開になっています。
各物語の冒頭には昔話の概説が登場します。
それらは以下の七つです。
かぐや姫
花咲か爺
天女の羽衣
浦島太郎
鉢かづき
猿婿入り
桃太郎
これらの昔話を少しだけモデルにした物語が以下の七つです。
ラブレス
ロケットの思い出
ディスタンス
入江は緑
たどりつくまで
花
懐かしき川べりの町の物語せよ
それぞれの物語と昔話が関連しているのはほんの一部分なので、物語によってはどこが関連しているのかわかるまでに時間がかかるものもありました。
でも、各物語の内容そのものが充実しているので、昔話との関連性についてはあまり気になりませんでした。
それぞれの主人公たちはみな「あなた」や「先生」や「日記帳」など、誰かや何かに対して話しかけるという形式になっています。
今まで読んだことのない形式だったので新鮮でした
この小説がなぜ「むかしのはなし」なのかは、各物語を読んでいくうちに明らかになってきます。
巨大隕石の衝突が三ヶ月後に迫っているというのが、この短編集の重要なテーマです。
政府から国民に向けてその発表があってから、人々は混乱します。
宇宙への脱出用ロケットに乗れるのは1000万人だけで、抽選で選ばれた人だけが乗ることができます。
でも抽選というのは建前だけで、実際には政治家や科学者など、乗れる人は最初から決まっています。
そんな状況下で物語の主人公たちは、隕石が衝突する前に体験したことをむかしのはなしとして、録音ディスクに記憶させます。
それを「人類の記録」として、宇宙空間に放つのです。
どこか遠い星にそのディスクが流れ着いて、その星に生命体がいれば、「かつて地球という星で巨大隕石の衝突があって、人類が絶滅した」というのがわかるかもしれませんね。
ただそれは、その星の人たちにとっては関係のないことなんですよね。
それでもなお、地球という星に人類がいたという事実を知ってもらいたいのかもしれません。
また、普通の短編小説では、各短編は関わりがないことが多いのですが、「むかしのはなし」の場合は、滅亡寸前の地球という共通テーマがあります。
地球に隕石が衝突したかどうかは、最後まで描かれませんでした。
ただ、すでに地球から脱出して、ロケットの中から物語を語る主人公もいたので、きっと隕石は衝突してしまうのだと思います。
今回も三浦しをん先生のすごさを感じました。
本当に色々なタイプの小説を書ける人だなと思います
次の三浦しをん先生の作品は何を読むか、さっそく考え中です。
それではまた
※図書レビュー館を見る方はこちらをどうぞ。
viviandpianoさんが図書館で暮らしたら、きっとミステリーコーナーを住処にしそうな気がします(笑)
私はどうしようかな。
三ヶ月かけて、世界旅行に行くのも良いかなと思います
今まで見たことの無い世界の国々を見て回りたいです。
お金が足りないですけどね(笑)
読書日和さんの紹介してくれる三浦しをん先生はの作品は、
どれも、非常に興味が湧いてきます。
ぜひぜひ、読みたいです☆
もし3ヵ月後に地球が滅亡するとしたら・・・
貯金で3ヶ月分の食料をゲットして、
図書館で暮らしたいかも(笑)
自分の経験できることは限られているけど、
物語の中で経験できることは、無限ですからね。