東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

田布施町の陶土を使って土器・埴輪作り(その4)

2017年05月14日 | イベント,行事

  前回、土器作りのために粘土状の陶土を作りました。しかし濾過した網目が大きかったため陶土に細い根っこや砂が多く混じっていました。このままでは、土器がちゃんと出来上がる心配です。そこで、さらに細かい網目を通すことにしました。

  最初作った粘土状陶土     陶土を二分割      片一方の陶土を溶かす
  

 陶土を二分割して片一方を再度水で溶かすことにしました。溶かすとき、手クワで溶かすのは大変です。左官屋さんがが壁土を混合するために使う小さなブロベラを使ってみることにしました。すると大成功でした。プロペラはいわば陶土のミキサーです。網で濾過しやすいように、しばらく水に溶けた陶土を攪拌し続けました。

            水を多めに入れ、陶土を溶かしながら攪拌


 しばらくブロベラを回していると、溶けた陶土がミルクのようになってきました。この位溶ければ、細かい網を通りそうです。そこで、小麦粉をふるう極細の網を使ってみることにしました。ミルク状の陶土を網の上に流すと、最初はスルリと陶土が通りました。しかし、すぐに濾過できなくなりました。

 ミルク状に溶けた陶土    小麦粉をふるう網      網をバケツの上に
  

 濾過できなくなった原因は小さな砂です。その小さな砂が網目に詰まっていたのです。そこで網を逆さまにして、地面に叩きつけると砂は取れました。そして、再び溶けた陶土を流し込むと、最初は同じようにスルリと濾過します。そして、すぐに砂が網目に詰まりました。その繰り返しでした。 

          ミルク状の陶土を、粉ふるいの網に流し込む


 「流し込む>砂が詰まる>砂を取る」の繰り返しでした。それを20回位でしょうか、繰り返すとバケツ一杯ほどの濾過した陶土になりました。次に、前回と同じようにその濾過したミルク状の陶土を布の中に入れました。そして、袋状にしてぶら下げて水分を取りました。

             作業に使ったバケツなどの道具 


 3日ほどぶら下げて水分を抜いて、粘土状になった陶土を布から取り出して洗面器の中に移しました。水分を抜いたとは言え、まだ土器に加工するには柔らかすぎます。そのため、さらに3日ほど陰干しします。こうして土器に加工できる粘土状陶土ができました。

     濾過した陶土を袋に入れる     3日ほどぶら下げて水分を抜く
 

 来週、数人でこの陶土を使って初の土製品を作ってみます。作るのは、古代に使われたスピンドルの紡錘子、箸置き、おちょこ程度の椀、埴輪などです。どの程度の大きさまで作ることができるのかにも挑戦してみようと思います。その後、2週間ほど陰干しして完全に乾かした後、焼いてみようと思います。ちゃんとした土器ができるか今から心配です。

      さんざん苦労した末に出来上がった、土器作りに使う粘土状陶土

コメント
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